上へ戻る

ドコモspモード版 ワールドベースボール

2017年メジャーリーグは、4月2日(日本時間4月3日2時10分開始予定)のレイズ-ヤンキース戦で開幕する。

シーズン展望

Rソックスが今季も最強の座に君臨か/ア・リーグ東地区展望

Rソックスが今季も最強の座に君臨か/ア・リーグ東地区展望

サイ・ヤング賞を獲得した昨季の再現に期待がかかるポーセロ。(Getty Images)

 昨季の地区王者レッドソックスはオフにメジャー屈指の左腕クリス・セール投手を大型トレードで獲得。戦力的には間違いなく最強の座に最も近いが、死角がないわけではない。最大の誤算は昨季に17勝を挙げた左腕デービッド・プライスが開幕前に故障したこと。そのほかにも、昨季にサイ・ヤング賞を獲得する大ブレイクを遂げたリック・ポーセロ投手が再び最高のシーズンを送れるのか、引退した指名打者デービッド・オルティスの穴は埋め切れるのか、パブロ・サンドバル三塁手は今季こそ復活できるのかなど、不安材料はそれなりにある。ただしどれも致命傷には遠く、ムーキー・ベッツ外野手、ザンダー・ボガーツ遊撃手、指名打者に回るハンリー・ラミレスらで組む強力打線は今季も健在。上原浩治と田沢純一が抜けたブルペンも戦力は充実しており、よほどのことがない限りは優勝争いをリードするだろう。

 大砲が抜けたのはブルージェイズも同じ。こちらは昨季42本塁打の指名打者エドウィン・エンカーナシオンが退団してしまった。もっとも代役として獲得した前ロイヤルズのケンドリー・モラレスもパワーヒッターで、ブルージェイズの本拠地はロイヤルズよりも本塁打が出やすいため、期待以上の活躍をする可能性を秘めている。これでホセ・バティスタ外野手が完全復調すれば、ジョシュ・ドナルドソン三塁手、トロイ・トロウィツキー遊撃手らもいる打線は何も心配いらない。投手陣も昨季に20勝したJ・A・ハップ、防御率リーグ1位のアーロン・サンチェスに加え、WBCで大活躍したマーカス・ストローマンにもブレイクの兆しが見える。不安定だったブルペンもジョー・スミスとJ・P・ハウエルの両ベテランを補強しており、レッドソックス追撃態勢は整っている。

 昨季にブルージェイズと同じ89勝を挙げたオリオールズは評価が難しい。打線も投手陣も成績だけ見ればリーグ中位から下位でしかなく、最強クローザーのザック・ブリトン投手を中心に無類の勝負強さを発揮して勝ち星を重ねた再現が可能かどうか。指名打者マーク・トランボ、クリス・デービス一塁手、マニー・マチャド三塁手と40発トリオ誕生も夢でない中軸を揃えた打線の破壊力は今季も抜群だけに、やはりアキレス腱は昨季の2ケタ投手が16勝のクリス・ティルマン、10勝のディラン・バンディしかいなかった先発陣だろう。精彩を欠いたベテランのウバルド・ヒメネスやウェード・マイリーよりも、ティルマンの出遅れもあって開幕投手に抜てきされたケビン・ガウスマン、若手有望株クリス・リーらのブレイクに期待したい。

 急速に世代交代を進めるヤンキースも振れ幅の激しいシーズンになりそう。ゲーリー・サンチェス捕手、アーロン・ジャッジ外野手、グレグ・バード一塁手らは確かに有望な若手選手だが、今季に期待どおりの活躍ができるかは未知数。ディディ・グレゴリアス遊撃手がWBCで故障して出遅れるのも痛く、中軸として獲得したベテランのマット・ホリデー外野手も衰えの不安が隠せない。だが逆に若手たちが期待以上の働きをする可能性ももちろんあり、そうなれば勢いに乗って上位進出の可能性もゼロではない。ただし最大の問題は、エースの田中将大以外は安心できない顔触れの先発陣。特にCC・サバシア、マイケル・ピネダ、ルイス・セベリーノに次ぐ5番手は開幕直前でも決まっておらず、アロルディス・チャプマン、デリン・ベタンセスら強力ブルペンの負担は相当なものになるだろう。

 低迷が続くレイズは今季も厳しいだろうが、投手陣には期待が持てそう。昨季は打線の援護なく19敗したクリス・アーチャーはWBCでも米国代表として好投したように本来ならエース級の働きができる右腕。安定した投球を続けているジェーク・オドリッジもさらなる成長が期待でき、若手有望株のブレーク・スネル、故障から復帰するアレックス・コブら先発陣はなかなかの顔触れだ。クローザーにはWBCドミニカ共和国代表だったアレックス・コロメも控えている。ただしリーグ14位の得点だった打線は今季も課題山積。36本塁打の主砲エバン・ロンゴリア三塁手に、30ホーマーのブラッド・ミラー二塁手ら長打力のある選手は多くいるものの、出塁率の高いチャンスメーカーが相変わらず不在なのがネックとなりそうだ。

(C)ISM

関連するニュースを読む

閉じる

ナショナルズの地区連覇にハーパー復活が不可欠/ナ・リーグ東地区展望

ハーパー復活がナショナルズの地区連覇へのカギとなる。(Getty Images)

 昨季は地区優勝を果たしたナショナルズが95勝を挙げて2位メッツに8ゲーム差を付けたが、主力の故障者の数が明暗を分けた感もあり、本来の戦力にはそこまで開きがあるようには思えない。とはいえ地力はナショナルズのほうがわずかに上だろうか。

 ナショナルズは昨季終盤に故障離脱した名捕手ウィルソン・ラモスを手放し、近年はやや低迷しているが実績は十分なマット・ウィータース捕手をリーズナブルな契約で獲得した。さらに期待を裏切った中堅手のベン・リビアを1年で見限って攻守とも定評のあるアダム・イートン外野手も補強。これにより昨季にブレイクした若手のトレア・ターナーを本来の遊撃手に戻すことが可能になり、センターラインの安定感が増した。だがナショナルズが頂点を狙うのに必要なのは、何よりも主砲ブライス・ハーパー外野手の復活。MVPを獲得した2015年に比べて本塁打がほぼ半減するなど不本意だった昨季の汚名返上は本人にとっても至上命題だ。マックス・シャーザーら屈指の好投手が揃う先発陣は、スティーブン・ストラスバーグがケガなくフルシーズン働けば言うことなし。大物クローザーを取り損ねたことで実績のないブレーク・トライネンが務める抑え役がやや不安なくらいか。

 メッツは主砲ヨエニス・セスペデス外野手と再契約したが、新たな大物獲得はなし。逆に昨季15勝の大ベテラン右腕バートロ・コローン投手が退団したが、それでも昨季に故障離脱した多くの主力たちが復帰するだけで戦力は数割増しだ。ジェイコブ・デグロム、スティーブン・マッツ、マット・ハービーら先発投手陣、ルーカス・デューダ一塁手、ニール・ウォーカー二塁手、デービッド・ライト三塁手、トラビス・ダーノー捕手などがスタメンに戻り、ジェイ・ブルース外野手、ホセ・レイエス内野手ら途中加入組も今季は開幕から戦力となる。もっとも故障がちな選手たちが無事に過ごせる保証はなく、今季も最大の敵は故障になりそうだ。

 残り3チームは2強と差がありそうだが、3番手に推すならマーリンズ。昨季終盤に急死したエース右腕ホセ・フェルナンデス投手の穴は結局埋められず、今季は絶対的なエース不在に。オフに補強した昨季14勝のダニエル・ストレイリーは被本塁打が多いタイプで、同10勝のエディンソン・ボルケスは防御率5点台と全幅の信頼は寄せにくい。むしろブラッド・ジーグラー、田沢純一らを補強した強力なブルペンが不安定な先発陣を支える構図だろう。昨季はリーグ13位の得点と振るわなかった打線は元首位打者ディー・ゴードン二塁手、故障に泣いたジャンカルロ・スタントン外野手とジャスティン・ボア一塁手の奮起に期待だが、つなぎ役として貴重な存在だったマーティン・プラード三塁手がWBCで故障したのは地味に痛い。

 低迷が続くフィリーズは今季も若手の成長待ち。オデュベル・ヘレラ外野手、シーザー・ヘルナンデス二塁手、トミー・ジョセフ一塁手、マイケル・フランコ三塁手、キャメロン・ラップ捕手ら昨季に光るものを見せた若手たちに加え、オフにはマイケル・ソーンダース外野手、ハウイ・ケンドリック外野手らベテランを補強して打線はそれなりの格好がついた。先発投手も昨季に11勝したジャレド・アイクホフや同8勝のビンセント・ベラスケス、終盤に失速して右ひじの故障で離脱するまでは好投していたアーロン・ノラと期待できそうな若手がいる。今季の苦戦は不可避だろうが、来季以降につながるシーズンとなる可能性は十分ある。

 同じく低迷中のブレーブスは多数のベテランを補強するチーム作りを志向。コローンとR・A・ディッキーの40代右腕コンビを筆頭に、35歳のブランドン・フィリップス二塁手、33歳のカート・スズキ捕手、30歳のハイメ・ガルシア投手らを獲得した。過去2年に獲得済みのニック・マーケーキスとマット・ケンプ両外野手も含めて主力の平均年齢は相当高くなっている。彼らベテランの存在が主砲フレディ・フリーマン一塁手の負担軽減、若手有望株のダンスビー・スワンソン遊撃手、マウリシオ・カブレラ投手らへの過度の期待回避につながればいいが、うまくいかないようだとシーズン途中での大量放出もあり得るだろう。

(C)ISM

関連するニュースを読む

閉じる

リーグ覇者インディアンスが今季も優勢か/ア・リーグ中地区展望

オフに大型契約でインディアンスに加入したエンカーナシオン。(Getty Images)

 昨季にワールドシリーズまで進出したインディアンスが今季も頭一つ抜けている。34本塁打、101打点のマイク・ナポリ一塁手が移籍したが、ブルージェイズで42本塁打、127打点の指名打者エドウィン・エンカーナシオン獲得でグレードアップに成功。さらに故障がちだったマイケル・ブラントリー外野手、カルロス・カラスコ投手、ダニー・サラザール投手らが復帰し、昨季途中で獲得したリリーフ左腕アンドルー・ミラー投手がフルシーズン稼働することを思えば戦力は著しく向上したと言っていい。打線の破壊力はリーグ屈指のまま、先発投手陣も昨季に2ケタ勝利を挙げた5人が揃って健在とあって、死角らしい死角は見当たらない。心配の種は主力の故障くらいだろう。

 インディアンスを追うのは今季もタイガースの役目か。元三冠王ミゲル・カブレラ一塁手を筆頭に、指名打者ビクトル・マルティネス、イアン・キンズラー二塁手、ジャスティン・アップトン外野手らが並ぶ打線はインディアンスに勝るとも劣らない。J・D・マルティネス外野手が故障で出遅れるのは誤算だが、それでも十分な破壊力を有している。ただし先発陣はインディアンスに大きく見劣り。ジャスティン・バーランダーとマイケル・フルマーの2人は信頼できるが、3番手以降のジョーダン・ジマーマンらは故障や近年の不振から計算が立ちにくい。守護神フランシスコ・ロドリゲスを含めて主力投手の大半が30代というのも不安材料だ。

 2015年のワールドシリーズ制覇から昨季は地区3位でプレーオフにも進めなかったロイヤルズはリーグ13位だった得点力不足が今季も深刻。一番頼りになった指名打者ケンドリー・モラレスが退団し、後釜がブランドン・モスでは役者不足だろう。主砲エリク・ホスマー一塁手の負担軽減にはアレックス・ゴードン外野手やサルバドール・ペレス捕手、ロレンゾ・ケーン外野手らの奮起が大いに必要となる。投手陣は若手エース格だったヨルダノ・ベンチュラが不慮の死を遂げ、エディンソン・ボルケスが退団。ダニー・ダフィーとイアン・ケネディ、新加入のジェーソン・ハメルらを軸とするが、放出した守護神ウェード・デービスの後釜をケルビン・ヘレラがシーズンを通じて務められるかも重要だろう。

 再建途上の残る2チームは上位と大きな戦力差がある。ホワイトソックスはオフにエース左腕クリス・セール投手、好打者アダム・イートン外野手を放出。同じく放出がうわさされた左腕ホセ・キンタナ投手はひとまず残したが、主砲トッド・フレージャー三塁手やメルキー・カブレラ外野手、クローザーのデービッド・ロバートソン投手らともども、シーズン途中に若手有望株とのトレードに出される可能性は少なくない。しかし一方でセールとの交換で獲得したヨアン・モンカダ内野手や、昨季デビューしたティム・アンダーソン遊撃手ら有望株は相当に豊富。彼らの成長には期待できそうなシーズンだ。

 ツインズも事情はホワイトソックスと似たようなもの。今季はバイロン・バクストン外野手、ミゲル・サノ三塁手、ホルヘ・ポランコ遊撃手、マックス・キャプラー外野手らにさらなる経験を積ませるシーズンだ。ブライアン・ドジャー二塁手やアービン・サンタナ投手、クローザーのブランドン・キンツラー投手らはシーズン途中での放出を見据えているだろう。

(C)ISM

関連するニュースを読む

閉じる

カブスが盤石の地位を維持する可能性/ナ・リーグ中地区

ワールドシリーズ連覇がかかるカブス。(Getty Images)

 108年ぶりにワールドシリーズを制覇したカブスは今季も盤石なのか。この地区の焦点はこれに尽きるが、結論から言うと盤石の可能性が限りなく高い。

 野手では俊足好守のデクスター・ファウラー外野手、投手では途中加入だった守護神アロルディス・チャプマンが抜けた。前者は新加入のジョン・ジェイと若手のアルバート・アルモラで、後者はロイヤルズのクローザーだったウェード・デービスの補強で埋める。この点で戦力ダウンは否めないが、それでも昨季は故障でほぼ全休だったカイル・シュワバー外野手の復帰、クローザー経験もある上原浩治投手の獲得などさらなるプラス材料もある。何よりジョン・レスター、ジェーク・アリエッタ、カイル・ヘンドリックスの3本柱を含めた先発陣はメジャー屈指で、昨季のリーグMVPクリス・ブライアント三塁手が中心の打線は得点力に満ち溢れている。多少の勝ち星減少があっても地区優勝の筆頭候補であることに変わりはない。

 王者カブスとは大きな戦力差がありそうだが、食らいつくとすればやはりカージナルスだろう。昨季にプレーオフを逃す要因となったのはチーム防御率4点台でリーグ7位だった投手陣、とりわけ先発陣のふがいなさだった。その先発時からは昨季10勝のハイメ・ガルシアが抜け、ブレイクが期待されていた若手のアレックス・レイエスが故障で今季絶望に。ランス・リンがトミー・ジョン手術から復帰の見込みだが、昨季は防御率4・62と衰えが心配なアダム・ウェインライトともども全幅の信頼は置きづらい。名捕手ヤディエル・モリーナがどこまで投手陣をサポートできるかがポイントだろう。マット・ホリデー外野手が抜けた野手陣はデクスター・ファウラーの獲得でむしろ守備力が増した印象。主力に若手が多く、伸びしろは期待できる。

 残り3チームは勝率5割なら御の字か。パイレーツは昨季にキャリア最低の成績だった元リーグMVPアンドルー・マカチェン外野手の退団がうわさされたが、結局は放出せず。かつての輝きを取り戻してくれれば言うことなしだが、身体能力で勝負してきたタイプが30歳を超えて復活するのは至難というのも事実だ。だが彼の復調なくしてパイレーツの浮上もない。ただしマカチェンが右翼へ移ってゴールドグラブ賞のスターリング・マルテが中堅に入るのは大きなプラス要素だ。一方で投手陣の駒不足は深刻。ゲリット・コール、ジェームソン・タイヨン、イバン・ノバはそれなりの援護があれば計算の立つ先発だが、4番手以降は未知数なのも気がかりだ。

 ブルワーズはまだ再建途上だが、楽しみな若手が多い。昨季に19本塁打を放ったジョナサン・ビラー遊撃手はまだ伸びそうで、キーオン・ブロクストン外野手、オーランド・アーシア遊撃手、トラビス・ショー三塁手、アンドルー・スサック捕手らも可能性を秘めている。投手陣は厳しい布陣だが、昨季9勝のジュニア・ゲラは30歳過ぎで覚醒した遅咲きながら一番期待できそう。ここに若手のザック・デービース、実績は十分なマット・ガーザらが続ければ楽しみは増える。

 同じく再建途上のレッズは逆に投手陣に光明。昨季14勝のダニエル・ストレイリーこそトレードに出したが、ライセル・イグレシアス、トニー・シングラーニ、マイケル・ロレンゼンら若手リリーバーが本領を発揮できればブルペンは相当に改善が見込める。とはいえ、先発は最も期待できるアンソニー・デスクラファニが相変わらず故障がちで、ブランドン・フィネガン、新加入のスコット・フェルドマンらで持ちこたえるしかない。打線は昨季33本塁打のアダム・デュバル外野手ら長距離打者は多いが、出塁率に問題のある選手ばかり。抜群の安定感を誇る主砲ジョーイ・ボット一塁手はトレード期限での放出が濃厚だろう。

(C)ISM

関連するニュースを読む

閉じる

忍耐力が試される上位3チーム/ア・リーグ西地区展望

昨季は涙をのんだレンジャーズ。(Getty Images)

 昨季はリーグ最多の95勝を挙げたレンジャーズがマリナーズに9ゲーム差を付けて連覇を果たしたア・リーグ西地区。しかし、数字ほどの戦力差があったかというと必ずしもそうではなく、レンジャーズが1点差ゲームで36勝11敗と無類の勝負強さと幸運を併せ持っていたからこその独走だったとも言える。

 そのレンジャーズはオフにミッチ・モアランド一塁手、イアン・デスモンド外野手、指名打者カルロス・ベルトランら主力打者が退団。一塁は大砲マイク・ナポリで強化されたが、指名打者と外野には不安が残る。故障明けの秋信守が指名打者に回り、WBCでも活躍したジュリクソン・プロファーが左翼だろうか。投手陣は守護神サム・ダイソン、セットアッパーのマット・ブッシュらブルペンが相変わらず強力。先発もコール・ハメルズとダルビッシュ有の二枚看板はリーグ屈指だが、3番手以降の力量にやや疑問符が付く。昨季のように接戦をものにできないようだと勝ち星は目減りするかもしれない。

 では、レンジャーズに代わって勝ち星を増やしそうなチームの筆頭はというと、アストロズを推したい。ホセ・アルテューベ二塁手、カルロス・コレア遊撃手、ジョージ・スプリンガー外野手ら若い強打者が揃っていた打線に、指名打者カルロス・ベルトラン、ジョシュ・レディック外野手、ブライアン・マキャン捕手、青木宣親外野手らベテランが新加入。昨季にリーグ8位だった得点力は大幅改善が見込める。ただし、先発投手陣はレンジャーズよりも不安。元サイ・ヤング賞投手ダラス・カイケルは昨季に精彩を欠いたうえに肩の故障明け。ランス・マクラーズも同様に故障明けで、昨季12勝のダグ・フィスターに代わって獲得したチャーリー・モートンは昨季フィリーズで4試合に先発しただけ。彼らが不安定な分をケン・ジャイルズ、ルーク・グレガーソンら強力なブルペンがどれだけ補えるかがカギになる。

 昨季は地区2位のマリナーズも、もちろん優勝を争う力がある。ロビンソン・カノ二塁手、指名打者ネルソン・クルーズ、カイル・シーガー三塁手らで構成する打線の中軸は強力で、さらにジーン・セグラ遊撃手をトレードで獲得した。投手陣もフェリックス・ヘルナンデス、岩隈久志の二本柱に、WBCで好投したドルー・スマイリーと実績十分なベテラン右腕ヨバニ・ガヤードが加わった。懸念点を挙げるとすれば、主力の高齢化が目立ち始めたこと。上記の選手のうちセグラとシーガーを除く全員が30代で、シーズン終盤の息切れには気を付けたい。

 残る2チームは苦戦濃厚か。メジャー最高のマルチプレーヤーとの呼び声高いマイク・トラウト外野手を擁するエンゼルスは、ここ数年の補強失敗ぶりはひどく、トラウトや指名打者アルバート・プホルスら個々の奮闘はあるもののチームの優勝には結びついていない。ただし今オフはキャメロン・メイビンとベン・リビアの両外野手、ダニー・エスピノザ二塁手ら地味な補強だが、彼らの加入で守備力は向上しそうだ。投手陣は長年のエース格だったジェレド・ウィーバーが退団。この穴を故障明けのギャレット・リチャーズが埋められるかどうかに注目だ。

 低迷が続くアスレチックスは今オフ、サンティアゴ・カシーヤ投手、マット・ジョイス外野手、トレバー・プルーフ内野手、ラージェイ・デービス外野手ら中堅クラスを1年ないし2年契約で獲得。だが、いずれも救世主となるまでの活躍は見込みづらい。端的に言って、若手有望株が台頭するまでのつなぎだろう。チームとしては昨季42本塁打のクリス・デービス外野手や昨季10勝のケンドール・グレーブマン投手の引き続きの活躍や、ソニー・グレイ投手の復活に期待しつつ若手が育つのを待つしかない。

(C)ISM

関連するニュースを読む

閉じる

ドジャースの牙城は今季も揺るがず/ナ・リーグ西地区展望

昨季は地区4連覇を成し遂げたドジャース。(Getty Images)

 昨季に地区4連覇を果たしたドジャースの牙城は今季も揺らぎそうにない。昨オフの主力でチームを去ったのはベテランばかり。大型補強もなかったが、27本塁打を放ったジャスティン・ターナー三塁手と守護神ケンリー・ジャンセン投手を引き留めたのが補強と言っていいだろう。

 打線には新人王コリー・シーガー遊撃手を筆頭にジョク・ペダーソンとヤシエル・プイグ、アンドルー・トールス外野手トリオなど生きのいい若手が主砲エイドリアン・ゴンザレス一塁手らとうまく融合している。

 そして投手陣はメジャー1年目で16勝を挙げた前田健太の存在もさることながら、昨季は故障離脱のあったエース左腕クレイトン・カーショーが万全ならば確実に白星は上積みされる。先発3番手以下は故障明けの投手が多いなど不安もあるが、優勝候補の筆頭であることは揺らがない。

 2番手も順当にジャイアンツか。こちらも主力の入れ替えはほぼなく、今季も安定した投手陣とつながり重視な打線が武器のチームだ。特に左腕マディソン・バムガーナーと右腕ジョニー・クエトの両エースは、ドジャースのカーショーと前田に勝るとも劣らない。懸案だったクローザーにもマーク・メランソンを補強し、彼らをWBCで米国の初優勝に貢献した名捕手バスター・ポージーが導く。不安材料は打線が長打力に欠けること、選手層がドジャースに比べて薄いことか。

 3番手以降は2強と大きな差がありそう。ロッキーズは二冠王ノーラン・アレナド三塁手やチャーリー・ブラックモン外野手、トレバー・ストーリー遊撃手らを中心とした強力打線は相変わらずだが、打高投低の本拠地を持つ宿命からは今季も逃げられそうにない。昨季14勝を挙げたチャド・ベティス投手が精巣がんの再発で復帰時期未定となったが、同12勝のタイラー・チャットウッドら20代ばかりで構成された先発陣は伸びしろを秘めている。昨季は固定できなかった抑え役を新加入のグレグ・ホランド投手がしっかり務められれば勝率5割以上は見えてきそうだ。

 昨オフにザック・グリンキーとシェルビー・ミラー両投手、ジーン・セグラ遊撃手らを獲得して期待を高めたダイヤモンドバックスは、そのミラーが3勝12敗に終わるなど大コケ。それを受けて今オフは昨季に打率3割1分9厘、20本塁打、33盗塁をマークしたセグラを1年で手放して右腕タイワン・ウォーカー投手らを獲得する賭けに出た。昨季は故障に泣いたデービッド・ペラルタ、A・J・ポラックの両外野手が復帰することで攻守に安定感は増すが、5点台に達したチーム防御率と3ケタに及んだ失策数をどこまで改善できるかがカギだ。

 パドレスは率直に言って100敗を免れれば御の字だろう。投打、攻守ともにライバルから大きく見劣りするのは否めない。それでも昨季に28本塁打、28盗塁と元新人王の輝きを取り戻したウィル・マイヤーズ一塁手、限られた出番で30盗塁したトラビス・ジャンコウスキー外野手、新人王候補のハンター・レンフロー外野手ら楽しみな選手たちはいる。彼らがどこまで伸びるかは注目してみたい。

(C)ISM

関連するニュースを読む

閉じる

耀くキャラクターで挑むメジャー6年目/川崎宗則

持ち前の明るさでチームを盛り上げるカブスの川崎。(Getty Images)

 ブルージェイズの地元トロントで絶大な人気を誇った川崎は、昨オフにカブスへ移籍。結果としてメジャー5年目にして最少の14試合しか出場機会は得られなかったが、その耀くキャラクターは健在で、ロースター外ながらプレーオフもチームに帯同を許され、歴史的なワールドシリーズ制覇を味わうことができた。

 オフにフリーエージェントとなると、年明けにはカブスと再びマイナー契約。開幕ロースター入りを目指し、16試合出場の時点で打率2割7分8厘、6打点、1盗塁とまずまずの結果を残してはいる。

 ただし、さすがに王者カブスだけあって内野陣の層の厚さは盤石。二塁のベン・ゾブリスト、遊撃のアディソン・ラッセル、三塁のクリス・ブライアントは不動のレギュラーで、控えにもこの全ポジションを守れる元ドラフト1巡指名のハビエル・バエスがいる。川崎自身の年齢も考慮するとメジャー40人枠に割り込むことも難しく、マイナー契約のまま3Aアイオワで開幕を迎えるという可能性が高いだろう。

 もっとも川崎本人もそれは承知の上のはず。マイナーでのプレーが続いても腐ることなくアメリカでの野球を楽しむ姿勢は首脳陣やチームメートからも敬意を抱かれている。もしかしたら今季はメジャーの舞台で川崎のプレーを見る機会はないかもしれないが、ベンチからカブスのワールドシリーズ連覇を見届けることはあるかもしれない。そんなことが実現するかも、と思わせる得難いキャラクターが川崎の魅力と言える。

(C)ISM

関連するニュースを読む

閉じる

移籍1年目で注目される左翼のポジション争い/青木宣親

メジャー6年目のシーズンを迎える青木。(Getty Images)

 今季でメジャー6年目を迎える青木は、オフにマリナーズからアストロズへと移籍。これでメジャーでの5チーム目の在籍となる。それでいて、どのチームでも一定の出場機会を得て結果を出しているのだから適応能力は頭抜けている。

 しかも、移籍1年目の選手は新天地へなじむことを優先するのが常にもかかわらず、青木はWBC出場を選択した。レギュラーの座が確約されているわけではない立場からすれば、これは大きな賭けでもある。

 そのWBCでは打率1割8分2厘で2打点。成績だけ見れば3番打者としては物足りないが、唯一のメジャーリーガー、3度目のWBC出場となるベテランとしてチームをベスト4までけん引したことは高く評価したい。

 そしてWBCを終え、改めてアストロズに合流する青木だが、その前にマリナーズ時代の昨季を振り返ろう。顕著だったのは対左投手で打率2割2分7厘と振るわず、終盤は相手先発が右投手の試合に起用が限定される傾向にあった。アストロズとしてもそうしたデータを踏まえたうえでの獲得であり、すでに右打ちのジェーク・マリズニクと左翼で併用というのが有力な起用法とみられている。

 しかもA・J・ヒンチ監督は新加入の指名打者カルロス・ベルトランを定期的に左翼で起用する可能性を示唆し、今年4月に40歳となるベルトラン本人も乗り気。このプランには昨季32本塁打の指名打者エバン・ギャティスの出場機会を確保するメリットがあり、実現すれば青木の左翼での先発機会に影響は必至。青木としては左翼にベルトランが来ることで割を食う役をマリズニクに押し付けるためにもシーズン序盤からプレーでアピールしていきたい。

(C)ISM

関連するニュースを読む

閉じる

エース級の働きが期待されるメジャー2年目/前田健太

前田はWBC出場を回避してメジャー2年目の開幕に備える。(Getty Images)

 昨オフにドジャースと8年契約を結んで念願のメジャーリーガーとなった前田。タフなメジャーのレギュラーシーズンで故障の不安などが当初はささやかれたが、終わってみればチームでただ一人開幕から先発ローテーションを全うし、16勝11敗、防御率3・48と上々の成績。ナ・リーグ新人王投票でも3位に推されるなど、メジャーでも一流の先発投手との評価を確立した。

 今オフは2013年に出場して大会ベストナインにも選ばれたWBCへの出場は見送ることに。さまざまな事情があることはうかがえるが、メジャーのレギュラーシーズンに備えるという意味では調整のやりやすさや開幕前の負担増加を避けることがプラスに働くのは間違いない。

 2月末から登板開始したオープン戦では着実に投球回数を増やし、4戦目だった3月18日には5回途中1失点と順調に調整が進んでいる。その翌日にはWBC決勝ラウンドのためにアリゾナでドジャースと練習試合を行った日本代表とのゲームでメンバー票交換役を務める一幕もあった。

 ドジャースの先発陣は、昨季こそ故障での途中離脱があったがメジャー最強左腕の呼び声高いクレイトン・カーショーが絶対的エースとして君臨。前田がその後に続くが、3番手以降はベテラン左腕リッチ・ヒル、いずれも故障明けのブランドン・マッカーシー、アレックス・ウッド、柳賢振らが頼りで全幅の信頼を置きづらい。ドジャース首脳陣としては、前田にはカーショーと共に先発陣の大黒柱としてチームを支える存在になることを期待しているはずだ。

(C)ISM

関連するニュースを読む

閉じる

キャンプは波乱の幕開けも貫録の17年目へ/イチロー

昨季は記録ラッシュだったイチロー。(Getty Images)

 2016年はメジャー通算500盗塁、日米通算ながらメジャー歴代最多安打の更新、史上30人目にして日本人初のメジャー通算3000安打など記録ラッシュだったイチロー。レギュラーシーズン終了直後にはマーリンズが契約オプションを行使して残留が早くも決まった。40歳過ぎのメジャーリーガーがこれほど早く再契約できるのは異例だが、それもイチローなら当然という空気を漂わせるのが貫録というものだろう。

 最も今年の春季キャンプは波乱の幕開けだった。2月に守備練習中にチームメイトと接触して右ひざや腰を負傷。3月初めには実戦復帰を果たしたように大事には至らなかったが、ケガらしいケガをせずに長いキャリアを過ごしてきたイチローも調整ペースを落とさざるを得ず、22日時点でオープン戦10試合に出場して打率2割7厘となっている。もっとも今さらオープン戦の結果で何かが左右される選手でも立場でもなく、シーズンにはきっちり間に合わせてくるはずだ。

 立場といえば、イチローは今季も第4の外野手という立場。左翼のマルセル・オズナ、中堅のクリスチャン・イエリチ、右翼のジャンカルロ・スタントンは本来ならメジャーでも屈指の外野陣。昨季はスタントンの故障などでイチローの出場機会が増え、最終的には143試合、327打数を数えた。レギュラー3人が順調ならば相対的にイチローの出番は減ることになるだろう。この状況は日本人ファンとしては残念な展開だが、マーリンズファンにとってはチームが順調である証でもあるので痛し痒しといったところか。

 それでもメジャーリーグでは全試合出場する選手というのはほとんどおらず、ローテーションで主力にも休みを与えるため、控え選手にも一定の先発機会は与えられるもの。イチローならばそうした機会に快音を響かせてくれるに違いない。

(C)ISM

関連するニュースを読む

閉じる

ベテランの落ち着きで6年目のシーズンへ/岩隈久志

メジャー6年目を迎える岩隈。(Getty Images)

 フリーエージェントとなった昨オフの岩隈は、いったんは決まりかけたドジャース移籍が白紙撤回となり、結局は古巣のマリナーズと再契約を結ぶというドタバタとなったが、その際に結んだ契約では、2017年の結果次第で翌18年も自動延長となる。残留を確かなものとするために高いモチベーションで今季に臨むはずだ。

 メディカルチェックでドジャースとの契約がご破算となった岩隈だが、昨季は終わってみればキャリアハイに並ぶ33試合に先発。199イニングを投げて防御率こそ自己ワーストの4・12だったものの、これまたキャリアハイの16勝(12敗)をマークした。被安打と与四球の増加、奪三振率の低下などいくつかの懸念材料はあるものの、体調面の不安は払しょくできたと見て問題ないはずだ。

 かつて日本を世界一へと導いた思い出のWBCへの参加を見送って調整を続ける岩隈は、3試合目のオープン戦先発で3回途中7失点と大崩れ。それでも実績あるベテランだけに首脳陣もさほど慌てた様子はなく、続く4戦目の先発では4回途中3失点だったとはいえ、5奪三振で無四球。本人も内容のよさは認めており、ケガさえなければ開幕およびシーズンに向けてきっちり仕上げてくるに違いない。

 今年で36歳になるがまだまだやれることは昨季の結果が物語っている。メジャー6年目にして4回目の2ケタ勝利はもちろん、ダルビッシュ有(レンジャーズ)や田中将大(ヤンキース)ら他の日本人投手たちとのタイトル争いを期待したい。

(C)ISM

関連するニュースを読む

閉じる

調整順調でサイ・ヤング賞への期待大/ダルビッシュ有

レンジャーズとの契約最終年を迎えたダルビッシュ。(Getty Images)

 オープン戦初登板で右ひじを痛めてしまった2年前。トミー・ジョン手術からの復活途上にあった1年前。ダルビッシュにとって過去2年の春は決していい思い出であったとは言えないが、今年は久々にいい春を過ごしてシーズン開幕を迎えられそうだ。

 昨季のダルビッシュはトミー・ジョン手術のリハビリを終えて、5月末に約2年ぶりのメジャー復帰。3試合を投げたところで再び戦列から一時離脱したものの、オールスター明けからは先発ローテーションを守り、最終的には17試合、100回1/3を投げて7勝5敗、防御率3・41という成績を残した。球数も球宴以降はほぼ毎試合で90球以上をカウントし、100球以上も3試合あるなど、手術明けとしては十分な内容だったと言えるだろう。

 今季はWBC参加を見送ってメジャーのレギュラーシーズンへ向けた調整に専念。順調にオープン戦での登板を重ねており、本人も手ごたえを感じているようだ。

 そんなダルビッシュを周囲も高評価。もともと手術前に実力は証明済みであっただけに、体の状態に問題さえなければ活躍は約束されていたようなものだ。米オンラインブックメーカー『ボバダ』でもサイ・ヤング賞候補のオッズで3番人気タイに推されている。本命のクリス・セール(レッドソックス)、2番手のコリー・クルバー(インディアンス)、3番手で並ぶジャスティン・バーランダー(タイガース)、アーロン・サンチェス(ブルージェイズ)らライバルの顔触れからもダルビッシュへの期待度が高いことがうかがえる。

 ただし、タイトル争いへ向けて意外な落とし穴が待っている可能性もある。それはダルビッシュにとって今季がメジャー入りの際に結んだ6年契約の最終年ということだ。万が一、レンジャーズがシーズン前半でプレーオフ争いから脱落すれば、7月末のトレード期限で放出の可能性はゼロではない。その際に移籍先が同じア・リーグならいいが、ナ・リーグ球団への移籍となった場合は別リーグの成績が合算されないことからタイトルの可能性はほぼ消滅する。ダルビッシュとしては自らチームを上位に引き上げることが、自身のタイトル獲得へもつながるだろう。

(C)ISM

関連するニュースを読む

閉じる

恩師との再会で強力な救援陣に割り込めるか/田沢純一

今季からマーリンズでプレーする田沢。(Getty Images)

 2008年オフに日本プロ野球界に波紋を投げつつ社会人野球からメジャーリーグへ直接挑戦した田沢。あれから8年が過ぎた2016年オフ、田沢は渡米以来ずっと所属してきたレッドソックスを離れてマーリンズへと移籍することになった。

 昨季まで4年連続で50試合以上に登板してきた田沢だが、2013年と翌14年に連続で71試合に登板した勤続疲労が祟ったのか、ここ2年はやや精彩を欠いた印象。それでも三振が取れて四球が少ないというリリーバーとしての適性に疑問の余地はない。

 新天地のマーリンズで迎える今季だが、オープン戦では4試合投げた時点で防御率0・00。3安打、1四球、4奪三振と順調に調整が進んでいる印象だ。日本人メジャーリーガーの大先輩であるイチローがいるからチームに溶け込みやすいおかげ…と言いたいところだが、田沢にとってイチローの存在以上に大きかったのはフアン・ニエベス投手コーチとの再会だろう。

 ニエベス投手コーチは2013年から2015年途中までレッドソックスで同職を務めていた。つまり田沢が絶好調だった2年間を知り尽くしているのだ。さらに言えば、ニエベス投手コーチが去って以降、田沢は調子を落とした。であるならば、同氏に再び教えを請えば、全盛期のフォームやピッチングを田沢が取り戻す可能性は間違いなくある。

 もっとも、マーリンズのブルペンは右腕の層が厚い。クローザーのA・J・ラモスは抜くとしても、デービッド・フェルプス、カイル・ベアラクラ、ダスティン・マゴワンら昨季に50試合以上を投げて防御率2点台だった投手がずらりと並び、さらにクローザー経験もあるベテランのブラッド・ジーグラーも獲得した。田沢としてはまず出番を確保して、勝ちゲームの継投メンバーに割り込まなくてはならない。

(C)ISM

関連するニュースを読む

閉じる

強さを求めカブスへ活躍の場を移した大ベテラン/上原浩治

42歳で迎える今季はカブスでプレーする上原。(Getty Images)

 42歳で迎える2017年のシーズンを前に、上原はクローザーとしてワールドシリーズ制覇にも貢献したレッドソックスを離れる決断を下した。新天地はカブス。2016年に108年ぶりの世界一に輝いた屈指の強豪チームだ。そして強いチームという点こそが、上原が慣れ親しんだレッドソックスから移籍した理由でもある。

 そもそも40歳を超えてメジャーリーグで現役を続行するというのは並大抵のことではない。しかも一線級の戦力として強豪に求められ、1年600万ドルの契約を結ぶとなると、これはもう相当の高評価を得た選手でないとあり得ないことだ。上原にはそれだけの期待が寄せられているということでもある。

 昨季は故障もあったがレッドソックスで50試合に登板して2勝3敗7セーブ、18ホールド、防御率3・45。クローザーとして防御率1点台や2点台をマークしていたころと比べればやや落ちるが、実力が健在であることは間違いない。新加入したカブスでもベテランらしく落ち着いて開幕へ向けて調整している。エース左腕ジョン・レスターや右腕ジョン・ラッキーらレッドソックス時代のチームメートがカブスにいるというのもプラスだろう。

 さて、昨季のレッドソックスではセットアッパーだった上原だが、今季のカブスでの立ち位置はどうか。カブスは昨季途中で獲得したクローザーのアロルディス・チャプマンがヤンキースへ出戻り。今季はロイヤルズから獲得したウェード・デービスが新守護神を務める。セットアッパーはチャプマン加入まで抑えを務めていたエクトル・ロンドンが引き続き担う見込みだが、そのロンドンは昨季後半に防御率6点台と大荒れだった。C・J・エドワーズ、ペドロ・ストロップらもいるとはいえ、上原にも重要な役目が回ってくる可能性があるかもしれない。

(C)ISM

関連するニュースを読む

閉じる

さらなる大型契約を占う重要なシーズン/田中将大

WBCを辞退してまで今季開幕に備えている田中。(Getty Images)

 2016年の開幕前を思い返せば、右ひじに爆弾を抱えながら2015年のシーズンを過ごした田中への視線は相当に懐疑的なものだった。実際に田中がオープン戦で防御率7・36と振るわなかったことで不信感はさらに募った。だが終わってみればメジャー3年目にしてキャリアハイの31試合に先発して14勝4敗、防御率3・07の好成績を残し、何より初めて規定投球回に達したことで不安は完全に払しょくされたといっていいだろう。

 そして迎えたヤンキース4年目の今季は、田中にとって重要なシーズンとなる。2014年に結んだ7年総額1億5500万ドルの大型契約には、4年目終了後に契約を破棄してフリーエージェント(FA)となれるオプト・アウト条項がついているからだ。現在のヤンキースがかつてのような大物選手をずらりとそろえた強豪ではなく、世代交代の過渡期を迎えたチームだけに、今季の若手の成長しだいでは田中がより優勝を狙えるチームへの移籍と、今年11月に29歳を迎えるこの年齢なればこそ狙える再度の大型契約を求めて、FAとなる可能性もゼロではない。

 もっとも、全ては今季の田中のピッチング次第。現行契約を破棄してより有利な契約を結ぶためには、各球団のGMを納得させる実力の証明が求められるからだ。そして田中が今季をキャリア最高のシーズンとする可能性は非常に高い。

 右ひじの不安が完全に払しょくされたこと、WBCを辞退してまでシーズンに備えたモチベーション。そうした様々な要素がかみ合ったか、オープン戦では3試合登板の時点で合計9イニングを無失点。特に3戦目のタイガース戦では4回をパーフェクト、7奪三振と圧巻の内容だった。ヤンキースとしてはチーム浮沈のカギとなる田中の好投を願う一方で契約を巡るジレンマに悶えるかもしれないが、田中にはぜひブライアン・キャッシュマンGMを大いに悩ませる快投を見せてほしいものだ。

(C)ISM

関連するニュースを読む

閉じる

戦力外通告の男、メジャーの舞台で花開くか/中後悠平

今季中のメジャー昇格に期待がかかる中後。(Getty Images)

 ロッテにドラフト2位指名で入団しながら開花しきれなかった男が、アメリカの地でメジャー昇格に手が届くところまでたどり着いている。

 1年目の2012年に27試合のリリーフ登板で2勝を挙げた中後だが、ロッテ時代の活躍はこれがピーク。以降は一軍での出番も少なく、2015年オフに戦力外となるといったんは国内のBCリーグで野球人生を続行するかに思えた。

 ところが急転直下、メジャー球団から興味を示された中後は翌2016年2月にダイヤモンドバックスとマイナー契約を結んで渡米した。ルーキーリーグからスタートするとトントン拍子に昇格を果たし、夏には早くも3Aでプレー。そこでも13試合連続無失点と素晴らしい結果を残した。ただしアクティブロースター枠が40人に拡大される9月以降のメジャー昇格は残念ながら実現しなかった。

 それでも2年目の今季もマイナー契約の招待選手としてダイヤモンドバックスの春季キャンプに呼ばれた中後。オープン戦初登板を1回零封するも、2試合目は2四球を出すなど1回1失点。3試合目に1イニングを2奪三振で無失点と抑えたものの、3月5日にマイナーキャンプ行きを通告されてしまった。

 その一方で、トーリ・ロブロ監督ら首脳陣は変則サウスポーの中後に一定の評価は与えているようだ。ダイヤモンドバックスのブルペンは左腕不足という事情もあり、中後が開幕後もマイナーで安定した投球を続けられるようならば、今季中のメジャーデビューもあり得ない話ではないだろう。

(C)ISM

関連するニュースを読む

閉じる

当サイトに掲載の記事・写真・カット等の転載を禁じます。すべての著作権は日刊スポーツ新聞社/朝日新聞社に帰属します。