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韓話☆球題

「投手の人材難」で懸念される韓国代表の弱体化

 2013年の前回大会に続き、1次ラウンドで敗退したワールド・ベースボール・クラシック(WBC)韓国代表。この結果には今の韓国球界が抱える「投手の人材難」が背景にあると、代表チームを率いた金寅植(キム・インシク、69)監督は話す。「台湾戦に(延長戦で)勝つことができたが、序盤のリードを守らなければいけないところで、実力不足の投手しか投入できなかった」。

 金監督は韓国の投手の現状について「ウエイトトレーニングばっかりやって下半身を鍛えようとしない。だからいいピッチャーが出てこない。一方で日本のピッチャーはしっかり走り込んでいるから速い球が投げられるし、次々有能な選手が出てくるんだ」と能力ではなく鍛え方に問題があると指摘する。

 実際、韓国選手の下半身を鍛える意識は日本に比べて低いと、斗山(トゥサン)の藤尾佳史トレーニングコーチ(31)は言う。「重いものを持ち上げるようなトレーニングはやればやっただけ筋肉がつくので、精神的に安心するのか日本の選手よりも熱心にやります。しかし体幹を鍛えるといった地味なトレーニングはやらせないと好んでやらない選手が多いです。腹筋が弱くお尻の筋肉が緩みがちなので、ハムストリング(太ももの裏の筋肉)を痛める選手が少なくありません。痛くなってようやくトレーニングの大事さに気づくようになりますね」。

 今の韓国リーグの投手陣を見るとチームのエースと呼ばれる投手は一握りだ。昨季、規定投球回に到達した17人の内、外国人投手が10人を占める。残る7人の韓国人投手を見ると平均年齢が30・57歳と新たな人材が出てきていない。金監督も「柳賢振(リュ・ヒョンジン=ドジャース)、金広鉉(キム・グァンヒョン=SK)以後、目立った投手が出てきていない。150キロ台の速球でインコースを突ける投手が出てこなければダメだ」。

 金監督は「野球は投手が一番大事」と言って大会をこう振り返った。「台湾は強かったが投手力は弱かった。我々が敗れたイスラエルとオランダも決して投手力が優れていたとは思わないが、レベルが高い投手が何人かいて、彼らを打てなかったことが敗因だと思っている」。

 韓国は国際大会ごとに代表監督を選任しているため、金監督は専任監督ではないが今大会限りで代表から身を引くことを決めた。そしてこうメッセージを残した。「これから毎年国際大会がある。若い選手には今回のWBCを見て何か感じて欲しいと思う」。

金監督が不安を抱く韓国の投手の人材難。これが解消しないと韓国代表の弱体化は2020年の東京五輪、21年の第5回WBCまで尾を引くだろう。

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ハンファ退任の金監督、繰り返された出会いと別れ

 予見されたことではあったが、その訪れは想像よりも早かった。

 ハンファの金星根(キム・ソングン、74)監督がシーズン途中、100試合を残してグラウンドを去った。金監督は歴代2位の監督通算1388勝を誇る名将。チームを率いるのはハンファが7球団目だが、そのすべてで球団との不和によりユニフォームを脱いでいる。

 金監督と球団の対立。それはいつも正論のぶつかり合いだ。金監督は常に下位脱出の使者として球団に招かれてきた。チーム強化のため全権を掌握し、強い執着心を持って取り組むことでこれまでに3度の韓国シリーズ制覇を果たしてきた。ハンファではこの10年で5度最下位に沈んでいるチームの立て直しを託され、2015年に3年契約を結んだ。

 これまで金監督は1、2軍全選手の管理、試合の前後、休日を問わない長時間の練習、コーチの人事権や年俸に至るまで独自の手法で決めてきた。「そこまでしなければチームは強くならない」というのが持論だ。

 一方、長期的視野でチーム運営を考える球団からすると、金監督の手腕は評価するも、過度な練習や時に酷使とも評される選手起用は、疲弊へとつながるという憂慮があった。過去、チームの好調時には球団は金監督の考えに妥協し、従ってきた。しかしハンファは金監督就任の2年間でポストシーズンを逃している。そこでハンファは昨秋、球団のゼネラルマネジャー的役割を果たす球団団長に、元LG監督の朴鍾勲(パク・チョンフン、57)氏を据え、金監督の権限縮小へと動いた。これは金監督の手法への否定の表れだった。その時点から両者の決裂へのカウントダウンは始まっていた。

 今回の退任の決定打となったのは、金監督が二軍選手の一軍への練習参加要請を、球団が繰り返し拒否したことにある。金監督の権限は今季から一軍の現場運営に限られていたが、金監督としては入れ替えの対象となる選手を直接見て判断したいという考えがあった。一方で球団は二軍の選手は二軍のシステムで活動しているので、金監督がそこに手を出すことに拒否感を持っていた。

 今週21日の試合後、金監督は球団の意向は承服出来ないと辞意を示した。球団は予測された流れを静かに進めようとしたが一部報道で「金監督更迭」と報じられ、その火消しのため、23日午後、「監督の辞意を受け入れるか協議中」という公式発表を行った。同日は監督不在のまま試合を行い、試合が9回を迎え、メディアの記事が試合結果であふれるタイミングを計って、球団は監督の辞任と代行監督の発表を行った。球団の体面を繕う姿勢が濃く表れた退任の報だった。

 金監督就任後、ハンファは人気球団となり観客数が大幅に増加。ファンを熱狂させた。しかしこれまでの6球団とは異なり、チームをポストシーズンに送り出すことは出来なかった。

 金監督と球団の繰り返された出会いと別れ。74歳の金監督にとってこれが監督としてのフィナーレとなるのだろうか。

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名門サムスンの凋落 最下位脱出で李承ヨプの引退飾れるか

 1982年の韓国プロ野球発足時に球界に参入し、以後、球団名を変えていないチームが2つだけある。サムスンライオンズとロッテジャイアンツだ。中でもサムスンはこの35年間、幾度も上位争いに加わり、2011年から5年続けて公式戦1位を果たすなど、名門球団として君臨してきた。しかし今のサムスンにはその見る影もない。16日現在の成績は8勝28敗2分け勝率.222。9位と8ゲーム差の最下位10位に沈んでいる。

 サムスンの凋落は2015年の秋に始まった。エースの尹盛桓(ユン・ソンファン)、セットアッパー・安志晩(アン・ジマン)、クローザー・林昌勇に海外での違法賭博疑惑が浮かび上がり、3投手は韓国シリーズ出場を辞退。サムスンはそのシリーズでトゥサンに敗れ、シリーズ連覇が4年で止まった。

 またそれまでは潤沢な資金を元に選手へのボーナスも多く支給されていたが、親会社グループ内の組織改編により経費が削減され、現場へのバックアップも低下。昨季は安志晩、林昌勇の退団による戦力ダウンもあって9位でシーズンを終えた。

 金翰秀(キム・ハンス)前打撃コーチを新監督に据え迎えた今季。3年ぶりにサムスンに復帰した芹沢裕二バッテリーコーチ(前ヤクルトコーチ)は、今のチームについて「元気がない。練習の時に声を出しているのは僕だけ」と黄金期との違いを実感している。

 サムスンの低迷の要因に外国人選手の不振もある。以前はリック・バンデンハーク(現ソフトバンク)、ヤマイコ・ナバーロ(前ロッテ)がチームをけん引したが、昨季は助っ人が軒並み不作。今年も先発として期待された新外国人のアンソニー・ラナウドが開幕前に負傷し、いまだ登板していない。開幕から不振だった新外国人打者のダリン・ラフに当たりが出てきたことが小さな光だ。

 今年はサムスンが誇る、韓国のスーパースター李承ヨプのラストイヤーという特別な年。秋には派手な引退セレモニーが予定されている。その華やかな舞台が順位争いの中で行われるのか、それとも消化試合で実施されるのか。名門球団の威信にかけ、過去1度もない最下位からは何としても抜け出したい。

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昨年5位のKIA、投打かみ合い好調維持で首位快走

 開幕から30試合程が経過したここまで、昨年5位のKIAが好調な姿を見せている。9日現在、24勝9敗。勝率7割2分7厘で2位と3ゲーム差をつけている。前のカードのロッテ戦を3タテし、9日のkt戦にも勝って現在4連勝中だ。

 先発投手では7戦全勝のエース・梁ヒョン種(ヤン・ヒョンジョン)を筆頭に、昨季15勝のヘクター・ノエシが6勝負けなし。プロ6年目で昨年まで通算2勝だった林起映(イム・ギヨン)が4勝(1敗)を挙げている。この3投手の防御率はいずれも1点台を誇る。

 この顔ぶれの中で今年から広くなったストライクゾーンを味方につけた投手がいる。新鋭の林起映だ。横手からコーナー低めを突く制球力を持つ林起映は、追い込まれる前に仕留めようとする打者を手玉に取り、内野ゴロの山を築いて勝ち星を重ねている。

 打者ではサムスンからFA移籍の崔炯宇(チェ・ヒョンウ)が主軸として打率2位(3割7分4厘)の好成績を残し、チームをけん引中だ。KIAでのコーチ生活3年目の中村武志バッテリーコーチも「4番がしっかりしているのが大きい」と話す。

 好調なチーム状況について中村コーチは「もうちょっと強くなる」と、現状ではまだ力を発揮しきっていないと言葉を強める。「チーム防御率、打率ともリーグ4、5位で首位です。バーナディナと金周チャン(キム・ジュチャン)が打つようになればもっと勝てます」。

 KIAは開幕直後の4月7日にSKと4対4のトレードを断行。このトレードでやってきた選手の活躍も好調の要因だ。SKでは控えだった金ミン植(キム・ミンシク)が正捕手として安定したリードを見せ、外野手の李明起(イ・ミョンギ)は規定打席がわずかに不足しているが打率3割7分6厘を残している。

 投打がかみ合い、新顔が結果を残し首位に立つKIA。この現況に普段から明るい金杞泰(キム・ギテ)監督のテンションも例年以上に高い。KIAの快走はしばらく続きそうだ。

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ロッテ李大浩、退場劇で改めて感じるそのスーパースターぶり

 先週4月29日の斗山(トゥサン)-ロッテ戦で李大浩(ロッテ)が審判への侮辱行為で退場処分となった。

 その場面はロッテが1-0でリードの4回表、2死1、2塁でのことだった。打席の4番・李大浩は1ストライク後の2球目、外角低めのボールを引っ掛け、打球はホームベース周辺に高くバウンドした。これを捕球した捕手の朴世ヒョク(パク・セヒョク)は打席内でたたずむ李大浩にタッチ。球審はその瞬間、アウトを宣言し3アウトチェンジとなった。これに対し李大浩は球審にファールを主張。口頭で1分程強くアピールした後、ベンチに下がって行った。

 問題が起きたのはこの後だ。ロッテ・趙原佑(チョ・ウォンウ)監督が抗議を続ける間に、李大浩は3塁ベンチ前でヘルメットと自打球避けをグラウンド上に投げ、守備位置に着こうとしたからだ。これが審判に対する侮辱行為と判断され、3塁塁審が李大浩に退場を宣告したのだった。

 李大浩の韓国での退場処分は今回が初めてだが、過去に日本で1度ある。2013年7月28日の対西武戦(西武ドーム)。李大浩は主審の空振り三振の判定にファールを主張し、森脇浩司監督(当時)と共に3分近く抗議した。そしてベンチに戻ろうとした際、主審の方を向き、自身の目を指差すジェスチャーで「よく見ろ」とアピールしたことで退場になっている。

 李大浩の今回と4年前の退場には共通点がある。それは瞬間的にカッとなって審判に手を出すのではなく、ひとしきり抗議をした後、納得いかないという不満を表したことが、審判に対して侮辱的な行動ととられたということだ。李大浩はオリックス在籍時の退場の背景について「前の打席の判定から球審には不信感があった」として、積もり積もったものが表れたものだった。

 しかし今回は少し状況が異なる。李大浩が用具をグラウンドに投げ捨てた行動は、審判側に直接向けられたものではなかった。だがそのアクションが結果的に観客を扇動することになり、審判の尊厳を遠回しに傷つけることになった。

 韓国野球委員会(KBO)は李大浩の退場に関し、追加の制裁は下していない。今回の李大浩の用具を投げ捨てる態度は決して適切とは言えず、審判の判断も妥当だった。だが見方を変えると、これが李大浩のような影響力のある選手ではなかったら、退場というジャッジには至らなかったようにも思える。

 現在、李大浩はリーグトップの打率4割2厘を記録。人気実力ともに圧倒的な存在感を放っている。今回の退場劇は李大浩のスーパースターぶりを改めて感じさせられた。

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金泰均、「ヘソの前で打つ」意識で連続出塁記録を更新中

 ハンファの4番打者・金泰均(34、元千葉ロッテ)が、昨年8月7日のNC戦から続く連続出塁記録を65に伸ばしている。これまでの韓国記録は2001、06年に在籍したフェリックス・ホセ(元ロッテ)の63試合で金泰均は新記録を更新中だ。金泰均は韓国球界に復帰した12年以降、2位だった15年を除き毎年リーグトップの出塁率を残している。昨季の出塁率は4割7分5厘だった。

 「僕はホームランバッターじゃありません」

 身長185cm、体重110kgの巨漢ゆえ、長距離砲と思われがちだが金泰均はそれを否定。出塁することが自身の長所だと考えている。打席に入る前に見せる腕を畳んでバットのグリップを前に押し出す、少し窮屈に見える独特の素振り。これは金泰均がボールを的確にとらえることを意識したルーティーンだ。「いつもボールをヘソの前で打とうと思っています。実際にヘソの前で打つとファールになってしまいますが、常にその意識です」。そして打ち出しの際は前に出した左足を上げることをせず、踏み込むこともない。つま先を切り返すだけのノーステップ打法も以前から変わらぬ金泰均の特徴だ。

 昨季選んだ四球の数はリーグ最多の108。金泰均は選球眼の良さについても評価が高い。しかし本人はそれも否定する。「僕は視力が良くないので試合の時はコンタクトレンズをしています。目の良さというよりも、打つポイントが後ろにあるので、最後までボールを見ているから四球が多いと思います」。

 変わることのない確固たる技術を下地に出塁を重ねる金泰均。しかし、近年見られる変化もあった。今年2月、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)韓国代表合宿での金泰均の打撃練習を見た野球評論家の前田智徳氏は、以前との違いをこう指摘した。「構えている時、前は肩と腕をあんなに左右に揺らしていなかった」。これについて金泰均は「若かった時はじっと動かず構えていても、ボールに対応出来たのですが、年齢を重ねてからは左右に動いていた方が体にリズムが生まれて、ボールに反応しやすくなりました」。

 金泰均は連続出塁記録を65試合に伸ばした23日の試合で2塁への内野安打を放った際、右太ももの裏側を痛め25日の試合を欠場した。指名打者や代打でも起用も考えられたが、首脳陣の判断で出場を回避している。日本の連続試合出塁記録は1994年にイチロー(当時オリックス)が打ち立てた69試合。金泰均はその数にどこまで迫ることが出来るか。

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開幕後に活発化したトレード 捕手の移籍は実利最優先

 開幕から約3週間が経過した今年の韓国プロ野球。この間、各球団から3件のトレードが発表になった。7日にKIAとSKで4対4、17日に斗山(トゥサン)とハンファが1対1、18日にはロッテとktで2対2と、14選手が開幕直後に新天地へと移っている。

 この14人の中で目に付くのが4人の捕手の存在だ。韓国は以前から捕手の人材難が深刻で、毎年トレードが活発に行われている。ハンファは近年、各球団から主力捕手を集めてきたが捕手の平均年齢が33歳と高く、若い捕手を必要としていた。そこに合致したのが斗山の崔在勲(チェ・ジェフン、27)だった。崔在勲は控え捕手ながら能力が高く、常にトレード候補に名前が挙がるも、斗山はそれを受け入れてこなかった。しかし昨オフ、FAの人的補償でサムスンの2番手捕手・李興練(イ・フンリョン、27。現在入隊中)を獲得。将来を見据えた補強が出来た。そのため斗山は今回のハンファの申し出を受け入れることになった。

 またKIAとSKのトレードではKIAから2人、SKから1人の捕手がチームを移っている。中でも李弘救(イ・ホング、26)は中村武志バッテリーコーチが熱心に指導してきた主力捕手だ。しかし現在のKIAは内、外野手を補強したいという思惑があり、李弘救をトレードのカードに使うことを決断した。今年KIAの捕手陣はこれまで控え捕手だった韓承澤(ハン・スンテク、22)が成長。李弘救と併用されていた白勇煥(ペク・ヨンファン、28)が故障から戻ってくれば李弘救の穴は埋められるという計算だ。また李弘救は来年、軍への入隊を予定しているという面もあった。

 開幕後に活発化したトレード。特にこの時期の捕手の移籍についてサムスンの芹澤裕二バッテリーコーチ(49)は「サインをすべて変えることになり大変だろう」と話す。また捕手はキャンプ期間中、チームの投手陣の特性を見極めることに長い時間を費やし、首脳陣も補強ポイントに挙げ準備過程を重視してきたポジションだ。しかし今回の捕手のトレードはリスクやこれまでのプロセスよりも実利を最優先させたトレードと言えるだろう。

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世代交代進まぬ韓国、アジアプロ野球CSでの顔ぶれは?

 今年11月、日本、韓国、台湾の各プロリーグでプレーする、主に24歳以下が参加対象の新しい大会、アジアプロ野球チャンピオンシップ2017が東京ドームで行われる。日本で参加資格がある選手には大谷翔平(日本ハム、23)、千賀滉大(ソフトバンク、24)、松井裕樹(楽天、22)、鈴木誠也(広島、23)といったリーグを代表する面々がいる。

 一方の韓国は日本に比べて世代交代が進んでおらず、また20代の間に約2年間の軍への入隊があるため、この年代の主力選手というのはほんのわずかだ。現時点で代表入りが確実視されているのは具滋ウク(サムスン、24)と金ハソン(ネクセン、21)の両野手くらいしかいない。ではこの大会への出場資格があるその他のたちは、代表入りについてどう考えているのか。

 ktのリリーフ左腕、沈載敏(シム・ジェミン、23)は「高校時代に18U大会(第25回18U世界野球選手権大会)に出た。あの時に顔を合わせた大谷や藤浪(晋太郎=阪神)と対戦したい。代表選手になりたいという欲はある。年齢的にも(入隊前に)代表入りする最後のチャンスかもしれない」と熱い思いを語った。同じくktで一軍に定着している内野手、沈佑俊(シム・ウジュン、21)も「代表入りしたい。(昨年10月の)23U大会にも出たのでそれに続きたい」と話した。過去に代表入りした経験がある選手は、アジアプロ野球チャンピオンシップのことを認知し自身もその舞台に立ちたいと考えている。

 一方、選手を預かる現場の指導者はどう見ているか。LGの金東洙(キム・ドンス)二軍監督は自軍から24U代表に推薦出来る選手として、外野手の安益勲(アン・イクフン、21)の名を挙げた。安益勲は高卒1年目から1軍で50試合に出場。昨季も68試合、1軍でプレーした俊足選手だ。広い守備範囲を誇り、大飛球を次々好捕した姿に昨季は注目が集まった。安益勲について金監督は「守備はリーグでもトップクラス。だから1軍から声が掛かるが1軍だと守備固めがメインで打つ機会がない。打力が劣るので本来なら2軍でたくさん打席に立った方が良いのだが」と話した。

 安益勲にとって2軍で経験を積むことは長期的に見ればプラスだ。だがこれまでのような1軍でのアピールの機会は減り、代表入りは遠くなる。韓国にはこの安益勲のような1軍半の選手が24歳以下に多い。

 アジアプロ野球チャンピオンシップの韓国代表はどんな顔ぶれとなるのか。それはシーズン終盤までまったく見当がつかない状況だ。

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韓国プロ野球はストライクゾーン拡大で打高投低を解消できるか

 先週3月31日に今年の韓国プロ野球・KBOリーグが開幕した。

 今シーズンの変化の一つに「ストライクゾーンの拡大」がある。といっても何か変更が明文化されたわけではない。公認野球規則に準じて上下左右をしっかり判定することを再確認し、それがストライクゾーンの拡大につながるという認識だ。ストライクゾーンを広げるきっかけとなったのは、韓国ではこの2、3年「打高投低」が顕著だからだ。

 韓国の昨季のリーグ打率は2割9分。韓国同様に指名打者制を採用しているパ・リーグの打率2割5分9厘と比べるとその差は明らかだ。昨季、打率3割に到達した打者はセ・パ12球団の15人に対し、韓国10球団では40人もいた。

 韓国が打者有利となっている背景には、2013年に問題化した審判の誤審騒動があった。その頃から各審判は微妙な判定による批判を回避しようと、より厳格に判定しようという意識が働いた。その結果、ストライクゾーンがどんどん狭くなっていった。2014年7月からはビデオ判定(合議判定)が導入され、それ以降、審判は下した判定によって非難されることはなくなったが、ビデオ判定の対象ではないストライク、ボールに関しては、その後もコースいっぱいの球がボールと判定されることが多くなっている。ちなみに韓国のビデオ判定は今年からメジャーリーグのようにリーグで運営するビデオ判定システムが採用されている。

 ここまでの各球団4試合の戦いを見ると、これまではボールと判定されていた外角低めの球で、審判の腕が上がっている。ではこのまま今のストライクゾーンがしっかりと定着するかだが、ある日本人コーチは「すぐに元に戻ってしまうのではないか」と懸念を示す。実績のある投手がテンポよく投げ込めば内外角いっぱいのコースがストライクと判定されるが、そうではない投手の場合、判定は厳しいままになるのではないかという見方だ。

 打高投低の解消を目的にストライクゾーン拡大に取り組んでいる韓国。その効果は打率の低下や投手ランキングに若手の新顔が多くみられた時に実感するのかもしれない。

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台風の目となるかkt、上位脅かしそうなロッテ&ハンファ

 今年の韓国プロ野球は今週31日に開幕する。昨シーズンは斗山(トゥサン)が2連覇を達成したが、一方でktは一軍参入以来、2年連続の最下位・10位と苦しい戦いが続いている。また常勝軍団・サムスンの9位転落は予想外の結果だった。今季、下位球団の逆襲はあるのか。

 「春の珍事」と多くの人が思った。オープン戦ではktが7勝3敗1分けの1位で全日程を終えたからだ。ktは今季に向け目立った補強をせず、また新球団特例の外国人枠の拡大も昨季限りで終わっている。しかしオープン戦では23日のネクセン戦で4回15失点を喫した周權(チュ・グォン)を除き、投手陣が安定。先発、中継ぎ、抑えが確立しゲームを作ることが出来た。

 対照的な姿を見せたのがサムスンだ。サムスンのオープン戦成績は2勝9敗1分けの10位。昨季のサムスンは外国人選手がほとんどと言っていい程機能しなかったが、今年加入の3人の新助っ人が結果を残さなければ、昨年同様の結末になりかねない。kt、サムスンともに新監督がチームを率いているが、ktの金鎮旭(キム・ジンウク)監督は斗山での監督経験があるのに対し、サムスンの金翰秀(キム・ハンス)監督は新人監督。その差が采配に現れ、結果にも影響するのかが注目ポイントだ。

 昨季8位のロッテは日米でプレーした李大浩(前マリナーズ)が6年ぶりに古巣に復帰。打線の活性化とチームの変革に期待を持たせている。さらに20代の右腕、朴世雄(パク セウン)、朴晋亨(パク チンヒョン)、朴是泳(パク シヨン)の3人の朴投手がレベルの高い投球を見せていることが、チーム浮上を予感させる。

 結果問わず、毎年話題に事欠かないのが昨季7位のハンファだ。今年はメジャー経験豊富な投手、アレクシー・オガンド(前ダイヤモンドバックス)が加入。オープン戦では2試合に登板し7回を無安打無失点に抑えた。ハンファは昨季、年間通して先発を務めた投手が1人もいなかったが、その役目をオガンドが担うと投手陣全体の整備が可能になるだろう。今年は金星根(キム・ソングン)監督の契約最終年。シーズン前半に低迷するようなことがあれば、責任論が噴出する可能性もありスタートダッシュが肝心だ。

 台風の目となりそうなkt、不安なかつての王者・サムスン、上位を脅かす面白い存在になりそうなロッテとハンファ。昨季からの順位変動が見られると今年のシーズンはさらに興味深いものになるだろう。

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元中日李鍾範の息子、李政厚がネクセンでデビュー

 19日のネクセン対斗山(トゥサン)のオープン戦。ネクセンは高卒ルーキー・李政厚(イ・ジョンフ、18)が逆転タイムリーを放ち、これが決勝打となった。李政厚はオープン戦にここまで7試合に出場し17打数7安打、打率.412を記録している。この李政厚には多くの人から他の新人選手とは異なる視線が向けられている。なぜなら彼の父親は韓国を代表するスーパースターとして活躍した元選手、野球解説者の李鍾範氏(46)だからだ。

 李鍾範氏は1993年にKIAの前身・ヘテに入団し73盗塁を記録。プロ2年目の翌94年には打率.393、84盗塁で首位打者と盗塁王を獲得するなど韓国球界に衝撃を与えた。1998年からは日本に渡って4シーズン中日でプレーし、帰国後も韓国を代表するスーパースターとして活躍を続けた。その後2011年限りで引退した李鍾範氏。それから6年を経たが、今もファンから熱い支持を得ている。そのジュニアのオープン戦での活躍にオールドファンの期待は高まりつつある。

 韓国にはこれまでにも親子選手はいたが、成功例はあまり多くない。有名なのは韓国にプロ野球が発足した1982年にプロ入りした捕手、柳承安(ユ・スンアン、60)現・警察野球団監督の息子である柳元相(ユ・ウォンサン=LG)、柳旻相(ユ・ミンサン=kt)の兄弟がいる。最近では韓国唯一の通算200勝投手である宋津宇(ソン・ジンウ、51)の長男と次男や李順■(イ・スンチョル、55)前LG監督の長男がプロ入りしているが、いずれも一軍定着には至っていない。

 しかし李政厚に向けられる期待は過去の親子選手とは少し異なる。それは李政厚がドラフト1次指名での入団だということだ。父・鍾範氏のプロ入りも1次指名。史上初の「ドラ1親子」である点が期待を膨らませている。この親子は父が右投げ右打ちの内野手入団だったのに対し、息子は右投げ左打ちの外野手という点が異なる。

 日本でも長嶋茂雄、一茂や野村克也、克則をはじめとした親子選手はいるが、チームの中心選手としてプレーしたケースは韓国同様にほとんどない。現役時代、「風の息子」という愛称で人気者だった李鍾範氏。その「風の息子の息子」李政厚が球界の常識を打ち破るか注目したい。

※■は吉が横に2つ

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過去のものになろうとしている韓国の「熱さ」

 6日に幕を開けたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)1次ラウンドA組。韓国代表は初戦のイスラエル戦に1-2、翌7日のオランダ戦にも0-5で敗れ、2次ラウンド進出が絶望的になった。

 今回のWBCは韓国にとって初の自国開催。格下と見られていたイスラエルとの敗戦後、スタンドの韓国の野球ファンからは失望のため息や叱責の罵声が聞かれるかと思いきや、観客の反応はサバサバしたものだった。

 その理由には「史上最弱」という前評判を受け、ファンの中に「免疫」が出来ていたこともあるだろうが、韓国での現在の野球への関心が、以前とは異なり多様化していることも理由にある。かつては代表チームの好成績がきっかけとなって、リーグの関心の高まりへとつながっていったが、今は好きなチーム、好きな選手、好きな応援に特化して野球を楽しむファンが増え、代表チームの下に一致団結するムードが薄れている。

 それを表しているのが選手に向けられる声援だ。試合中、応援のボルテージが最も上がるのは李大浩、金泰均の中軸よりも外野手の閔炳憲(ミン・ビョンホン)の時だった。閔炳憲はファニーフェイスが特徴で、既婚者だが若い女性に人気がある。ファンにとって代表チームの応援も大事だが好きな選手の応援をして欲求を満たすことの方が上回っているように感じた。

 選手についても同じだ。第1、2回に続き、WBCで3度目の指揮を執る金寅植(キム・インシク)監督はこう嘆く。「以前は“KOREA”と書かれたユニフォームを着れば、選手は全力で戦うものだった。こちらが多少無理を要求してもそれに応えてくれた。しかし今は違う。ちょっと体が痛いというだけで試合に出ないと言う。最近は選手たちの年俸が上がったことで恵まれてしまい、以前のように代表選手に選ばれたことを誇りに“やってやろう”という気持ちがない」。

 代表の誇りを優先してけがをし、シーズンを棒に振ってしまっては良くないが、今の選手には以前の韓国にはあまり見られなかった打算的な考えが生まれていると金監督は感じている。このことについて金監督に「それは韓国の野球が成熟した証拠では?」と投げかけると、「日本はリーグが成熟していても、選手は一生懸命やっていると思うが違うのか?」と逆に尋ねられた。

 日本人が韓国にイメージする「熱さ」。それは過去のものになろうとしている。

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韓国代表が4年前の失敗を教訓にWBC開幕戦に挑む

 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)を目前に控え、韓国は先週、今週とキューバ、オーストラリアの代表チームとテストマッチを実施。3戦全勝と大会本番に向けて順調な仕上がりを見せている。韓国は前回2013年の第4回大会で調整に失敗し1ラウンドで敗退しているが、今回はその二の舞いを避けることは出来るか。4年前と現在を比較し探ってみる。

 前回大会、韓国は1次ラウンドに備え、早い段階から現地に慣れるため開催地の台湾に乗り込み合宿を行った。気温25度を超える気温の中、行われたのは密度の濃いハードな練習。その結果、選手たちは疲労感を抱えたまま、3月2日のオランダとの大会初戦を迎えた。その試合で韓国打線はオランダ相手に散発の4安打、無失点に抑えられ0対5で敗戦。1次ラウンド突破に黄色信号が灯った。

 オランダとの試合前日、チームの主軸だった金泰均はオランダ投手陣に対して「戦力分析したが迫力があるピッチャーはいなかった。打てないことはないと思う」と話していたが、オランダはこの時の大会でベスト4に躍進。韓国はオランダの戦力を見誤っていた。

 一方の今回、沖縄で行われた代表合宿を見ると、練習内容は自主性に重きを置いた軽めの内容で、選手の表情に余裕が見られた。しかし1次ラウンド突破を楽観視しているわけではない。金寅植(キム・インシク)監督は練習の大半を遠巻きに見るも、選手の気が緩んでいると見ると選手のところに足を運び、適度な緊張感を与えていた。また今回も1次ラウンドでぶつかるオランダをはじめとした対戦チームに対しては、前回の敗退を教訓にスコアラー陣が早い段階から情報収集に着手している。

 今回の韓国代表にとって前回とは異なる利点がある。それは1次ラウンドが地元・韓国で行われるということだ。合宿からの延長線上で大会初日を迎えた前回とは異なり、今回は国民の期待を肌で感じ、気持ちを引き締めて大会へと入っていける。

 大会への目標を語る監督の言葉も前回と今回では異なる。前回のチームを率いた柳仲逸(リュ・ジュンイル)監督は「1次ラウンドを全勝で通過する」と強気に話していたが、WBCで指揮を執るのは今回が3回目になる金寅植監督の言葉は慎重だ。「1次ラウンドを通過するために、初戦から全力で臨む」。韓国が初戦で対戦するのはイスラエル。金寅植監督はその翌日に当たる宿敵・オランダではなく、まずはイスラエル戦に勝つことが大事と話す。

 4年前の失敗を教訓に今大会に挑む韓国。韓国が属する1次ラウンドA組は日本のB組より1日早い来週3月6日に開幕を迎える。

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WBC韓国代表の投手陣、安心と不安が交錯

 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)開幕まであと12日。WBC韓国代表の投手陣には安心と不安が交錯している。

 韓国代表は13日から沖縄でキャンプをスタートした。ゲームの鍵を握る投手陣の中で、最も状態が良いのが先発1番手の左腕、張元準(チャン・ウォンジュン)だ。張元準は19日に行われた巨人との練習試合に先発し、3回を投げ無安打無失点。低めへのコントロールが安定していた。

 投手陣を束ねる宣銅烈(ソン・ドンヨル)コーチは先発候補として張元準の他に、左腕の梁ヒョン種(ヤン・ヒョンジョン)とアンダースロー右腕の禹奎珉(ウ・ギュミン)の名を挙げている。いずれもここまでのコンディションは良好だが、本来はこの中に李帶ウン(イ・デウン)の名も入る予定だった。しかし今年から入隊の李帶ウンは、4週間の基礎軍事訓練を終えたばかりで始動が遅れている。17日の初めてのブルペン投球は捕手を立たせての30球に留まった。李帶ウンは22日のDeNAとの練習試合で実戦登板する予定だが、その内容次第では大会での起用が2次ラウンド以降になる可能性もある。

 リリーフ陣では19日の練習試合で元鐘玄(ウォン・ジョンヒョン)、沈昌ミン(シム・チャンミン)が持ち味を発揮していた。いずれもスリークォーター、サイドスローから速球を投げ込む、パワーピッチャー。沈昌ミンは2015年11月のプレミア12で好投を見せ、今大会でも活躍に期待が高まる。

 一方で状態が上向かない林廷宇(イム・ジョンウ)に代わり、林昶ミン(イム・チャンミン)の招集が17日、発表になった。初めて代表入りした林廷宇に対し、林昶ミンはプレミア12での経験がありこの入れ替えに心配な点はない。しかしそれとは別の新たな問題が出てきた。18日、林昌勇(イム・チャンヨン)が那覇市内で運転した車が接触事故を起こし、また所持していた日本の運転免許証の期限が切れていたことがわかったからだ。

 事故前日、まだ本格的な投球練習を初めていなかった林昌勇に、「実戦投球はいつ始めるのか?」と尋ねると、「大会最後まで投げずにずっとベンチで声援するだけじゃないかな?」と冗談めかしていたが、首脳陣の判断次第では林昌勇は本当に投げることなく、代表チームから離脱するかもしれない。

 韓国代表は大会に向け、あと6試合の実戦を予定している。その間に投手陣はここまでの安心感の持続と、不安の解消を目指す。

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「流浪のキャンプ」も、日本球団と異なる点を紹介

 キャンプインから2週間。来週にはアメリカ、オーストラリアで1次キャンプを行っている4球団も来日し、10球団中7球団の1軍が日本に集まる。その韓国球団のキャンプには日本の球団とは異なる点がいくつかある。

 沖縄では6球団がキャンプを行うが、そのうちネクセンとロッテには特定の練習場所がない。そのためこの2チームは練習試合の度に他球団のキャンプ地に訪れる、いわば「流浪のキャンプ」を実施している。それらの球団にとって試合は常にビジターゲームとなるが、連日ビジターユニフォーム着用だと洗濯が間に合わないという事態も生じるため、対戦相手同様にホームユニフォームで試合を行うケースもある。

 また他球団の休日にグラウンドを借りて練習を行うことも少なくない。しかし他球団の施設を借りるのは練習場所がないチームに限ったことではない。沖縄でキャンプを行う球団のうち、キャンプ地に室内練習場があるのはLG、SK、サムスンの3球団。それ以外の3球団は雨が降ると室内練習場がある球団に頼み、時間をずらして施設を借りている。

 キャンプで他球団の施設を借りるケースは日本でも時折見られる。楽天が2次キャンプを行う金武町には室内練習場がないため、楽天は天候が不順の際は、日本ハムが使用する名護市の施設を借りる予定になっているそうだ。しかし楽天の球団関係者によると、「今まで金武で雨が降って練習ができなかったことはない。星野(仙一)副会長のパワーではないか?」と笑った。

 今年は例年とは異なる点として、3月に行われるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の韓国代表が沖縄でキャンプを行っていることが挙げられる。代表チームが練習拠点としているのは、SKのキャンプ地であるうるま市の具志川。SKは代表チームがキャンプを終えた後、例年より10日程遅く沖縄入りし、キャンプの仕上げを行う。

 今年の韓国の公式戦の開幕は日本と同じく3月31日。しかし各球団キャンプを打ち上げるのは3月10日前後と日本よりもキャンプ地での滞在期間が長いのも特徴だ。

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李大浩がWBC韓国代表合宿途中参加でチームまとめる

 今週7日、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)韓国代表の最終エントリー28人の名簿が、韓国野球委員会(KBO)から大会組織委員会に提出された。韓国代表は13日からの沖縄キャンプで本格始動するが、一部選手は既に代表チームとして動いている。

 グアムでのミニキャンプに参加しているのは、アメリカ本土で1次キャンプを行う6球団に所属する選手たち。目的は時差負担の軽減だ。このミニキャンプは当初、元鐘玄(ウォン・ジョンヒョン=NC)、車雨燦(チャ・ウチャン=LG)、林廷宇(イム・ジョンウ=LG)、朴熙洙(パク・ヒス=SK)、張視ファン(チャン・シファン=kt)の投手5人で行われる予定だったが、金泰君(キム・テグン=NC)、金ハソン(キム・ハソン=ネクセン)、徐建昌(ソ・ゴンチャン=ネクセン)、孫児葉(ソン・アソプ=ロッテ)の野手4人も加わり、9人での実施となっている。

 しかし所属チームがアメリカでキャンプを行うも、このグアム代表合宿に参加していない選手もいる。NCの朴錫ミン(パク・ソクミン)と先月24日に6年ぶりの古巣復帰となったロッテの李大浩だ。

 この2人には共通点がある。それはチームの主将であるということだ。チームをまとめるためにはキャンプ初日から離脱するわけにはいかないという責任感を2人は背負っている。特に李大浩の場合、自身が日本、アメリカでプレーする間にロッテ入りした面識のない若手選手もいる。コミュニケーションを取るためにもチームを離れる期間を短くしたいというのも理由だ。チームにとっても李大浩の存在は復帰後、即キャプテンに就任する程、大きいということを表している。

 李大浩の存在の大きさは代表チームにとっても同じだ。李大浩は当初、13日から行われる代表合宿には参加しない予定だったが、首脳陣からの要望で16日から途中合流することになった。2015年11月のプレミア12でもリーダーシップを発揮し、優勝に貢献した李大浩。彼がいるといないでは、チームのまとまりに大きな差が出る。

 前回2013年大会では1次ラウンド開催地の台湾で約2週間のキャンプを行うも、その間緊張感に欠け、結果は1次ラウンド敗退だった韓国。しかし今回は19日に巨人、22日にDeNAと練習試合を行うなど、注目を浴びる中での調整となる。また1次ラウンドが自国での開催ということで否が応でも選手の気持ちは高ぶっていく。

 4年前と同じ轍を踏むわけにはいかないWBC韓国代表。大会に向けた士気は前回より高い。

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成績左右する助っ人 年俸上限撤廃で大物獲りも可能に

 日本同様に2月1日に春季キャンプをスタートさせた韓国の10球団。各チームの成績を大きく左右するのが外国人選手の働きだ。

 韓国の外国人枠は3人。その登録枠を投手または野手のみに使うことはできず、どの球団も投手2人、野手1人と契約している。全30人の外国人枠のうち14人が昨季に続いてチームに残留し、同数の14人が今季新たに韓国球界に加わった。残る2枠は外国人選手が確定していないハンファとサムスンの各1人だ。

 近年韓国にやってくる助っ人にはある傾向がある。それはメジャーリーグ昇格経験があるも、大半をマイナーリーグで過ごしてきた20代後半の選手だ。韓国の球団スカウトは「能力はあるので環境が変われば成功する可能性がある」と彼らに注目する。14人の中でメジャー経験がないのは、パーカー・マーケル(26、ロッテ)と昨季DeNAでプレーしたザック・ペトリック(28、サムスン)の2投手だけだ。

 一方でメジャー経験豊富な30代のプレーヤーを獲得した球団もある。NCはジェフ・マンシップ(32)、ハンファはアレクシー・オガンド(33)とそれぞれ年俸、契約金などの総額180万ドル(約2億円)で契約を結んだ。以前、韓国は外国人選手の報酬に30万ドル(約3、400万円)の上限を設けていたが、「有名無実」であったその制度が2014年に撤廃されたことで、今回のように大物獲りも可能になった。

 年俸上限の撤廃は残留交渉にもプラスに働いている。昨季22勝を挙げ最多勝と防御率1位のタイトルを獲得し、チームの2連覇に貢献したMVP投手、ダスティン・ニッパート(35)は総額210万ドル(約2億3700万円)で斗山(トゥサン)と再契約。今季韓国7年目のシーズンを迎える。斗山は3助っ人すべてがチームに残留。3位ネクセンは2人、4位LGが3人の外国人と再契約するなど、彼らの活躍がチームの成績に直結することを表している。

 その反面、厳しい状況にあるのが昨年9位のサムスンだ。先週、入団直前だった元阪神のマウロ・ゴメス(32)との契約がメディカルチェック直前に破談。助っ人野手の1枠をまだ埋められていない。一昨年まで5年連続公式戦1位と王者として君臨し、その間、リック・バンデンハーク(ソフトバンク)、ヤマイコ・ナバーロ(元ロッテ)らの外国人が活躍した常勝サムスンの姿は全く見られない。

 昨季、規定投球回に到達した投手17人のうち、外国人投手は10人を数える。これだけを見ても韓国球界にとって外国人選手の存在が大きいことがうかがえるだろう。

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李大浩が6年ぶり韓国ロッテ復帰 釜山に再び熱気

 もし野茂英雄、松井秀喜が引退前に日本球界に復帰していたら、ファンは喜びの声を上げていただろう。韓国では24日、それに匹敵するようなビッグニュースがロッテ球団から発表された。李大浩(34)の6年ぶりの古巣復帰だ。

 韓国での2度の三冠王の実績を引っ提げ、2012年から4年間、オリックス、ソフトバンクでプレーした李大浩は日本でもその実力を発揮。2012年にパ・リーグ打点王を獲得し、2015年には日本シリーズでMVPに輝きソフトバンクの日本一に貢献した。

 昨年、李大浩は米球界に活動の場を移したが、マリナーズでは十分な出場機会は得られなかった。成績は104試合、打率.253、14本塁打、49打点。年が明けても所属先が決まらない李大浩の動向に注目が集まっていたが、彼が下した決断は韓国球界、そして古巣への復帰だった。

 選択を迫られた時の李大浩の判断はいつもシンプルだ。「プロだから自分を高く評価してくれるところでプレーする」。今回、ロッテが李大浩と交わした契約内容は、4年契約で契約金と年俸の総額が150億ウォン(約14億5500万円)という破格のものだった。

 李大浩はかつて日本に渡る前年の2011年に、ロッテ球団の年俸提示を不服として調停申請している。当時の年俸提示額は約7000万円。「李承ヨプが日本進出する前年の2003年の年俸が基準」という球団の根拠が通り、李大浩の申し出は不調に終わった。しかしその後、韓国の選手の年俸は当時からは考えられない程、大きく跳ね上がった。それは李大浩にとって日米との比較に値する程だ。

 またロッテの李大浩迎え入れには、黄載鈞(ファン・ジェギュン)のサンフランシスコ・ジャイアンツへのFA移籍が確実になったことも後押しになった。

 ロッテは李大浩を欠いたこの5シーズン、低迷を続けた。4年続けてポストシーズン進出を逃し、昨季は8位。2012年までは1試合平均2万人を超える観客を本拠地に集めていたが、現在は1万1000人台まで落ち込んでいる。李大浩の不在はチームの暗黒期となった。しかし今回の大スター復帰によってどん底からの脱却に早くも期待が高まっている。

 ロッテの地元で、野球への愛情にあふれる釜山(プサン)の街が、李大浩効果でかつてのような熱気に包まれる日は近い。

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成熟さ増す韓国球界、日程早期決定は球団にもプラス

 かつては日本球界では当たり前でも、韓国では一般的ではないということが多々あった。その一つに「公式戦試合日程の発表時期」がある。

 日本では日本シリーズ終了後の11月に、翌年の公式戦日程が発表になるが、韓国では2009年まで、年を越した1、2月に発表されていた。しかし2010年以降は前年のうちに試合スケジュールが公表されている。この4年間では12月の第2、3週に発表というのが定着してきた。韓国野球委員会(KBO)の担当者は「“各球団の営業部から日程を早めに決めて欲しい”という要望があり、そのようになった」と話す。

 1試合平均の入場者数が6032人だった2006年に対し、昨年は1万1582人と倍増している韓国。その間、球団が2つ増え試合数も増加したことから、総動員数は2006年の約304万人から約834万人へと大幅に増えている。以前はほとんどの座席が自由席で、試合当日に球場で難なくチケットが買えた時代から変わり、現在は大半の座席が指定席。週末カードのグループ席や応援席では、ネットでの発売開始と同時に売り切れるようになった。

 また年間予約席(シーズンシート)の発売も日本に比べると出足は遅いものの、現在、NCとサムスンの2球団が今季のシーズンシート販売を行っている。「野球のチケットは事前に買うもの」というのが韓国でも完全に定着した。

 プロ野球の試合の商品価値の高まりは、それをイベントやプロモーション活動の場として活用したい企業の増加につながり、日程の早期決定は球団の営業活動にプラスになっているという。

 発表されている日程には、準本拠地開催分や雨天中止予備日などが含まれていないなど、日本とは異なる点もあるが、その辺りは「臨機応変に対応する」という韓国らしさも残っている。

 今年の開幕戦は3月31日(金)。日本より1試合多い、全144試合が行われる。今年は李承ヨプ(サムスン)、李昊俊(イ・ホジュン=NC)の大物打者2人が今季限りでの引退を事前に宣言。1月にも関わらず、既にシーズン終盤の引退試合の実施方法に注目が集まっている。

 人気を背景に年々成熟さが増す韓国球界。その一片は公式戦日程の発表時期からも見える。

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KIAに元広島・正田コーチ 高評価の日本人指導者たち

 この10年の間で日本の野球人が日韓を行き来することが珍しくなくなった。

 ロッテ・伊東勤監督、落合英二投手コーチ、ヤクルト・高津臣吾二軍監督らは韓国を経て日本球界に復帰した。また昨年、韓国球団でコーチを務めた馬場敏史、福原峰夫両氏は今年、それぞれ西武、DeNAのコーチとしてNPBに戻ってきている。一方、日本から韓国へはハンファに中島輝士打撃コーチ、サムスンに白坂契トレーニングコーチが新たに加わることになった。

 今年韓国でコーチを務める日本人は過去最多だった2015年の15人と比較すると大きく減ったものの、今年も4球団に6人が在籍する。その中で2009年にSK入りし、オリックスでのコーチを経て、2015年からハンファでコーチを務めた正田耕三氏(55)は今季からKIAに移り、打者の指導に当たることになった。

 韓国での4シーズン目となる正田コーチは10日に「室井昌也の韓国野球を観に行こう!」(ラジオ日本)に電話で生出演し、KIAの野手陣について「競争が激しい。空いているポジションは外野の一つしかない」と話した。KIAはサムスンの4番打者で昨季の打率と打点の2冠王であるレフトの崔炯宇(チェ・ヒョンウ、33)をFAで獲得。大型補強に成功している。

 KIAは崔炯宇に加え李ボム浩(35)、金周チャン(キム・ジュチャン、35)、羅志完(ナ・ジワン、31)といった実力者が名を連ね、昨季後半には二遊間コンビの安致弘(アン・チホン、26)、金善彬(キム・ソンビン、27)が軍服務を終え復帰。球界屈指の強力打線を形成できたことで、昨季5位からの浮上に注目が集まっている。

 そんな中、正田コーチは若手野手のレギュラー争い参入を求めている。正田コーチは韓国の選手について「日本に比べてパワーヒッターが多く、直球にはめっぽう強い。しかし変化球にもろさがある」と話す。その彼らに向けて正田コーチは変化球への対応策を伝えているが、「今の選手は“ああしろ”、“こうしろ”では聞いてくれない。まず相手と話をしてどうしたいのかを聞き、自主性を尊重しないとダメ」と指導法を語る。猛練習で知られる広島で現役生活を過ごした正田コーチだが、「昔のはやらされる練習。それでは今の選手はついてこない」と笑った。

 正田コーチをはじめとした日本人指導者は、選手に対して先入観なく接し、徹底したきめ細かい指導をすることに評価が高い。それに加えて選手との対話と、時代に合った対応が求められるようだ。

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全球団2・1キャンプイン、期間短縮による懸念も

 新年を迎え、球界の最初の大きな動きと言えば春季キャンプだ。しかし今年の韓国球界は例年とは様子が異なる。昨年までは各球団、1月15日から海外キャンプへと旅立って行ったが、今年は日本同様に全10球団2月1日にキャンプをスタートする。

 そもそも選手が球団から受け取る活動報酬の期間は2月1日から11月30日までで、12月と1月は非活動期間となっている。しかしこれまでの韓国は1月中旬にキャンプインしていた。かつては1月上旬から練習を開始する球団もあった程だ。しかし選手協会(日本における選手会)からの要請により、今年からは活動期間が厳格に守られるようになった。

 これまでの韓国球団のキャンプは、1月中旬にアメリカ・アリゾナ州やフロリダ州で1次キャンプを行い、2月に入って九州・沖縄入りするケースが多かった。しかし期間が短くなったことで、アメリカまたは日本でのキャンプに一本化するといった変化が表れている。

 キャンプ期間の変更には懸念点もある。選手のコンディションへの影響だ。斗山(トゥサン)の藤尾佳史トレーニングコーチは、「今まではオフの間に太って来る選手が、キャンプを通して体を絞っていったが、2月1日スタートとなると自己管理をしてくる選手とそうでない選手の差が出るのではないか」と話す。2012年に斗山でコーチを務めた伊東勤現・千葉ロッテ監督はキャンプインの時点で体を作ってきていない選手を見て、「韓国の選手は自覚が足りない」と嘆いていた。自覚に加えて無視できないのが年俸格差だ。

 韓国の最低年俸は2700万ウォン(約264万ウォン)。この年俸で契約をしている選手にとって、質の高いコンディション管理にお金を掛ける余裕はない。ある育成契約の内野手はオフの間、街のトレーニングジムで週5回、一般利用者に交じって体を動かしているという。その費用は月10万ウォン(約9800円)。彼にとってこの金額が捻出できる限度だ。12、1月は球団施設も使えないことから、限られた費用と場所でトレーニングをしている。遅いキャンプインによって年俸格差がトレーニング環境の差を広げ、結果、レギュラー選手と控えとの実力差の広がりにつながるのではないかというのも心配される点だ。

 選手の権利向上によって短縮されたキャンプ期間。そのことは選手にとってプラスに働くだろうか。今春キャンプの注目点の一つとなる。

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ハンファ・金監督が語る自身への批判と韓国プロ野球

 賞賛と批判。

 成績が良ければ賞賛され、悪ければ批判される。プロ野球ではつきものだ。しかし韓国はその振れ幅が日本よりも極端で大きい。今年それを象徴していたのはハンファ・金星根(キム・ソングン、74)監督に向けてのメディアとファンの態度だった。

 2007年から4年半監督を務めたSKでは3度の優勝を果たし、「野神(野球の神の略)」と称えられた金監督。2015年、ファンの熱いラブコールで監督に就任したハンファでは、逆転劇を繰り返す金監督の野球が「ハマる」と注目を集めた。しかし今年は前半戦で大きく負け越すと、「酷使」と評される投手起用に批判が集まり、金監督はバッシングの対象となった。金監督自身はこのような状況をどう思っているのか。またご意見番として今の球界の様子をどう見ているのか聞いた。

 「この間、巨人の(高橋)由伸と話したら、“常に優勝を求められるからしんどいです”と言っていた。でも巨人が優勝しなくても日本のメディアは由伸を叩くことはしない。金本(知憲)や梨田(昌孝)の成績が悪くてもそうだ。しかし韓国は正当な評価をしないで批判ばかりする」。金監督は嘆いた。

 金監督が指揮を執るチームでは金監督がコーチ人事やチームスタッフ、選手編成などの権限を持ち、全体を掌握することでリーダーシップを発揮してきた。しかし現場とフロントの分業と一体化が進む中で、金監督のこのスタイルにも批判が集まった。そんな中ハンファは今オフ、元LG監督の朴鍾勲(パク・チョンフン、57)氏を団長(日本における球団代表)に招聘。これにより金監督のチーム人事への影響力は弱まっていった。

 しかし金監督はフロント主導の球団運営について否定しない。「斗山(トゥサン)はロッテからFAで張元準(チャン・ウォンジュン)を取りに行く時、団長と社長が張元準のいる釜山(プサン)にすぐ行って交渉した。野球を知らない球団社長も多い中、あの行動力はすごかった。そういった力が2年連続優勝に繋がっている。そしてネクセンは全盛期の選手を一番高く売れる時に売って、その一方で若い選手を育てていて商売がうまい。どちらも決断力が素晴らしい」。と上位チームを高く評価した。

 「ウチは来年もダメだ。オレも年だしいつ逝くかわからない」と冗談めかして話す金監督。歴代2位の監督通算1368勝を誇る名将は75歳を迎える来年、批判に屈せず独自のスタイルで最後の反乱を見せるか。

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韓国プロ野球界に慕われ尽くした加藤初さん

 この10数年の韓国プロ野球では最大で年間17人を数える程、数多くの日本出身のコーチが在籍してきた。中でも古株だったのが2002年にLGで投手インストラクターを務めて以降、LG、SKで投手コーチを歴任した加藤初さんだった。その加藤さんが11日に直腸がんで亡くなっていたと巨人が発表した。66歳だった。

 加藤さんを韓国に招いた金星根(キム・ソングン、74)現ハンファ監督は訃報について、「昨日(20日)聞いて驚いた」と話し、加藤さんとの思い出についてこう話した。「加藤さんは2001年のLG秋季キャンプに合流した時、最初の2、3日、選手にまったくアドバイスをしなかった。4日目になって“何も言わないのか?”と聞いても、選手にあれこれ言うことはなかった。加藤さんは後ろから支えるタイプのコーチだった。しかし選手に厳しいことをいう時はものすごく熱心。加藤さんのおかげでLGやSKの若い投手は育ったと思っている」。

 加藤さんはSKのキャンプで打撃投手を買って出たこともあった。打者たちが「加藤コーチのカットボールは切れが良くて打てない」と舌を巻くと、真剣な表情から一変、ニコッと口元をほころばせた。

 「鉄仮面」と呼ばれた加藤さんは声をかけにくい雰囲気はあるも、質問をするとじっと相手の目を見て丁寧に答えてくれた。現役当時の話を聞くと、シーズン中に入院していた加藤さんを見舞った長嶋茂雄監督からの言葉を教えてくれた。「“加藤、急がずに早く治してくれ”って言われたんだよ」。誇らしげに語った時の表情は鉄仮面とは程遠い笑顔だった。

 そんな加藤さんに心身ともに苦しい時期が訪れた。2011年8月、当時SKを率いていた金監督がシーズン途中に解任になった時だ。金監督が招聘した日本人コーチは皆、球団に自ら辞意を申し入れた。加藤さんも日本に帰ることを決めていたが、球団は加藤さんに慰留。加藤さんはそれを渋々受け入れるも、試合中にベンチの中にいることはいたたまれず、ブルペンコーチへの配置転換を要求し、せめてもの抵抗をした。その頃の加藤さんは「ストレスで寝床についてもすぐに目が覚めてしまう」と言って苦しそうに咳をし、その年限りで現場指導者からは離れていった。

 金監督は加藤さんについてこう締めくくった。「試合中もあれこれ言うことはなかったが、自分の仕事はしっかりこなす、監督の僕にとって加藤さんは最高の投手コーチだった」。現役時代、西鉄、巨人で141勝を挙げる活躍を見せた加藤さん。晩年は異国の地で選手に慕われ、指揮官に信頼されて野球人生を終えた。

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大物FA選手の国内残留、日本離れ今オフも

 11月9日の本コラムで大物FA選手の動向について記したが、彼らの動きがほぼ固まって来た。

 今季の打率、打点の二冠王、サムスンの崔炯宇(チェ・ヒョンウ)は4年契約でKIA入り。契約金と年俸を合わせた総額が100億ウォン(約9億8600万円)という大型契約となった。

 またメジャー進出を模索していた金広鉉(キム・グァンヒョン=SK)は12月7日のコラムに記した通り、チームに残留。来季は手術後のリハビリに費やすこととなった。

 相次いで国内残留が伝えられる中、先週、日本のあるメディアが「DeNA、梁ヒョン種(ヤン・ヒョンジョン=KIA)を獲得」と報じ、このニュースに韓国メディアは騒然となった。この知らせは一社のみの報道だったため、韓国側は事実確認に大わらわ。情報収集に奔走する中、梁ヒョン種側から「DeNAから好条件を提示されたものの残留を決めた」との報があり、現在、梁ヒョン種はKIAとの交渉を行っている。以前のコラムで韓国選手の日本志向が薄らいでいると記したが、今オフのFA交渉でもそれがはっきりと現れている。

 そしてきょう14日には車雨燦(チャ・ウチャン)のサムスンからLGへのFA移籍が発表になった。契約年数は他選手同様に次にFAを再取得するまでの期間となる4年で、契約金と年俸を合わせた総額は95億ウォン(約9億4000万円)という高額だ。

 日本行きの可能性があった選手の国内球団との契約内容を見ると、1年あたり日本円で3億円が相場になっている。ということで日本の球団との交渉ではこの金額に上積みがなければ、税金で引かれる分を考えると積極的に日本に行こうという選択は生まれにくい。車雨燦は日本人弁護士を代理人に据え、日本球界をよく知る韓国人がマネージメントを行っていたが、最終的には国内移籍を選んだ。

 FA宣言し去就が決まっていないのは現時点で7人。その中である選手は、昨今の日本離れに反して、以前から日本行きを強く望み、水面下で積極的な動きを見せていた。しかし年齢的に30代後半に差し掛かることから、条件面を度外視したとしても声を掛ける球団を探すのは容易ではないだろう。

 残る大物は昨秋、ポスティングシステムを利用してのメジャー行きを目指すも実現に至らなかった黄載鈞(ファン・ジェギュン=ロッテ)だ。黄載鈞の動きが今オフFA市場の最後の関心事になりそうだ。

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SK金広鉉がトミー・ジョン手術受け復活目指す

 日本のメディア関係者、野球ファンと言葉を交わす中で、彼らに「知っている韓国リーグの選手」について尋ねると必ず名前が上がる選手がいる。SKの左腕投手・金広鉉(キム・ビョンヒョン、28)だ。金広鉉は20歳だった2008年、北京オリンピックで日本戦に2度先発。星野ジャパンの好打者たちを封じた姿は日本人に鮮烈な印象を残した。それと同時に「いつかは日本でプレーするのではないか?」。そんな期待も多くの人が抱いた。

 あれから8年。28歳となった金広鉉は今オフ、FA権行使を表明。先月29日にはSKに4年契約で残留することが球団から発表された。2014年オフにポスティングシステムを利用してメジャー進出を目指すも、充分な評価を得られず断念。今回もメジャーリーグ事務局から身分照会が申請され、FAでのメジャー行きを目指すと見られたが下した決断は国内残留だった。金広鉉が国内に留まった理由、それは左ひじの痛みだ。

 SKによると金広鉉は12月5日に横浜南共済病院で検診を受け、その結果、左ひじのじん帯接合手術(トミー・ジョン手術)を受けることになった。術後のリハビリには10カ月を要する見込みで、来季から指揮を執る、トレイ・ヒルマン監督(元日本ハム監督)の1年目に金広鉉は不在となることが確実となった。

 2008年に最多勝を挙げリーグMVPに輝き、翌2009年には防御率1位。2010年にも最多勝を挙げ、この3年間で2度のリーグ優勝に貢献した金広鉉。彼は当時、こんなことを話していた。「日本でプレーしたい」。金広鉉の実力を持ってすれば数年後、それは実現するだろうと誰もが思った。しかし、事は順調に進まなかった。2010年のシーズン終了後、金広鉉は脳梗塞と左肩痛に見舞われ、その後2シーズンは本来の姿を見せることが出来なかったからだ。

 その間にリーグを取り巻く状況も変わっていった。金広鉉の1つ年上の左腕投手・柳賢振(リュ・ヒョンジン)が着実に実績を重ね2012年オフ、ポスティングでドジャースと大型契約を結んだのだ。韓国のプロ選手で初めて、日本球界を経ずにメジャー入りした柳賢振は、アメリカの地で1年目から活躍。メジャーでの韓国人選手の評価を高めていった。そして2013、14年と2けた勝利を挙げ、復活を見せた金広鉉の目指すところも日本からメジャーへと変わっていった。しかしその望みは叶わなかった。

 金広鉉は今回の手術決定により20代でのメジャー行きは困難に。また来年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の出場も無くなった。

 激動の20代を過ごしてきた金広鉉。その締めくくりをリハビリに費やし、再びマウンドに上がるのは2018年のシーズン。金広鉉は30歳を迎えるその年の復活を目指す。

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マイペースな天才肌LG李引退 07年中日Vに貢献

 LGで17年間プレーし、日本では2007年から3年間中日に所属した李炳圭(42)が、25日に現役引退を発表した。

 1997年にプロ入りした李炳圭は首位打者2度、リーグ最多安打を4度達成するなど活躍し、通算打率は3割1分1厘を誇った。またアマチュア時代から代表チームでも実力を発揮。2006年の第1回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でも韓国代表の躍進に貢献した。

 日本では来日1年目の2007年に中日日本一の一端を担うも、在籍3年間の打率は2割5分4厘。3年目の2009年は1軍出場がわずか28試合で、韓国での実績に見合う姿を見せることはできなかった。

 韓国を代表するスター選手であった李炳圭。彼と接していつも感じていたことは、ひょうひょうとしているということだ。おどけたり、ふざけたりと茶目っ気を見せる一面もあるが、感情の波を測るのが難しい気分屋で、LGのファンはそんな李炳圭のことを愛した。しかし日本ではその彼らしさが伝わりにくく、誤解されることも多かった。外国人選手に求められがちなパフォーマンスや派手な振る舞いを見せるタイプでもなく、冷静な動作は時に緩慢ともとられた。

 マイペースな天才肌とも言える李炳圭。しかし周到な準備も欠かしていなかった。韓国復帰2年目の2011年、当時KIAで打撃コーチを務めていた平野謙氏(現BC・群馬監督)は李炳圭の打撃練習を見てこう話した。「最初に逆方向に打ってから、徐々にセンター方向に打ち返すことを意識して取り組んでいる。ああいうことの積み重ねがいい成績に結びついているよ」。

 この平野氏の言葉を李炳圭に伝えると、「元々そうやっているだけで、単なる習慣」と意に介す様子はなかった。それもまた李炳圭らしい受け答えだった。

 2013年には沖縄キャンプでの巨人との練習試合で故障し、開幕に出遅れるも打率3割4分8厘で8年ぶりに首位打者を獲得。しかしこの頃からふくらはぎ、太ももといった下半身のけがが続き、この3年間は満足に1軍出場ができなかった。今季の公式戦出場は10月8日の最終戦での1打席のみ。その日放った通算2043本目のヒットが李炳圭の現役最後のヒットとなった。

 チームから来季の構想外と伝えられ、他球団への移籍の道を選ばずLG一筋でユニフォームを脱いだ李炳圭。つかみどころのない性格そのままに、今後の李炳圭の第2の人生はまったく想像がつかない。球界を代表する安打製造機として名を馳せた李炳圭が、次にグラウンドに現れる時には、どんな姿で戻ってくるのだろうか。

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斗山・洪が引退 スターの輝かしい実績と大きな功績

 2000年代を彩ったスター選手、斗山(トゥサン)の洪性フン(ホン・ソンフン、39)が22日、引退を表明した。

 現役時代の原辰徳のような爽やかなルックス、新庄剛志を連想させるショーマンシップ。加えて石毛宏典を思い出させる、明るくチームをけん引するキャプテンシー。洪性フンはそれらを兼ね備えた唯一無二の存在だった。

 1999年、慶熙大から捕手として斗山に入団した洪性フンは、1年目から頭角を現し、新人王を獲得。翌2000年のシドニー五輪では韓国代表選手として銅メダルを手にした。2006年の第1回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でも代表入りし、リーグを代表する「打てる捕手」として活躍を見せた。

 2007年に太ももを故障して以降は指名打者に専念。2009年にFAでロッテに移籍し、2013年にはFA再取得で斗山に戻る中、その間、首位打者争いの常連として好成績を残し続けた。

 その一方で、数々の広告モデルを務め、オフにはテレビのバラエティー番組に出演するなど幅広い人気を集めた洪性フン。オールスター戦にはファン投票最多得票数を獲得し、あごヒゲの仮装をして試合に出場。その姿でホームランを放つといったエンターテイナーも印象深い。

 常に陽気にチームメイトを鼓舞しながら、チャンスで打棒を振るい、その一方で、自らの判断で送りバントを決めるなど強いリーダーシップも洪性フンの特徴だった。

 30代後半に差し掛かりチームの世代交代が進む中、洪性フンに年齢について尋ねた。すると洪性フンは「年を重ねてもバットのヘッドスピードが落ちているとは思わない」と笑顔で自信を見せた。しかし昨季以降、若手の成長により出場機会が減っていく。そんな中でも洪性フンはベンチから後輩たちを明るく送り出していた。だが今季はシーズンの大半を2軍で過ごし、1軍出場はわずか17試合。その間チームは2連覇し、来季の構想外となったことで引退を決断した。

 ファンに対して明るく振る舞い、愛され続けた洪性フン。スランプに陥っても、チームが連敗中でも常に明るい話題を提供する姿は、メディア側としても非常にありがたい存在だった。

 通算成績は打率 2000年代を彩ったスター選手、斗山(トゥサン)の洪性フン(ホン・ソンフン、39)が22日、引退を表明した。

 現役時代の原辰徳のような爽やかなルックス、新庄剛志を連想させるショーマンシップ。加えて石毛宏典を思い出させる、明るくチームをけん引するキャプテンシー。洪性フンはそれらを兼ね備えた唯一無二の存在だった。

 1999年、慶熙大から捕手として斗山に入団した洪性フンは、1年目から頭角を現し、新人王を獲得。翌2000年のシドニー五輪では韓国代表選手として銅メダルを手にした。2006年の第1回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でも代表入りし、リーグを代表する「打てる捕手」として活躍を見せた。

 2007年に太ももを故障して以降は指名打者に専念。2009年にFAでロッテに移籍し、2013年にはFA再取得で斗山に戻る中、その間、首位打者争いの常連として好成績を残し続けた。

 その一方で、数々の広告モデルを務め、オフにはテレビのバラエティー番組に出演するなど幅広い人気を集めた洪性フン。オールスター戦にはファン投票最多得票数を獲得し、あごヒゲの仮装をして試合に出場。その姿でホームランを放つといったエンターテイナーも印象深い。

 常に陽気にチームメイトを鼓舞しながら、チャンスで打棒を振るい、その一方で、自らの判断で送りバントを決めるなど強いリーダーシップも洪性フンの特徴だった。

 30代後半に差し掛かりチームの世代交代が進む中、洪性フンに年齢について尋ねた。すると洪性フンは「年を重ねてもバットのヘッドスピードが落ちているとは思わない」と笑顔で自信を見せた。しかし昨季以降、若手の成長により出場機会が減っていく。そんな中でも洪性フンはベンチから後輩たちを明るく送り出していた。だが今季はシーズンの大半を2軍で過ごし、1軍出場はわずか17試合。その間チームは2連覇し、来季の構想外となったことで引退を決断した。

 ファンに対して明るく振る舞い、愛され続けた洪性フン。スランプに陥っても、チームが連敗中でも常に明るい話題を提供する姿は、メディア側としても非常にありがたい存在だった。

 通算成績は打率3割1厘、208本塁打、1120打点。韓国では右打者として最初の2000安打到達者だ。その輝かしい実績はもちろん、プロ野球選手を華やかな存在に変え、地位を向上させた洪性フン。その功績はとても大きい。、208本塁打、1120打点。韓国では右打者として最初の2000安打到達者だ。その輝かしい実績はもちろん、プロ野球選手を華やかな存在に変え、地位を向上させた洪性フン。その功績はとても大きい。

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コーチ陣も脅威に感じたWBC同組オランダの攻撃力

 野球日本代表・侍ジャパンが10~13日に行ったメキシコ、オランダ代表チームとの強化試合。来年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)を見据えて行われたこの試合は、日本だけではなく韓国側から見ても興味深いものとなった。なぜなら韓国はWBC1次ラウンドでオランダと同組だからだ。

 韓国は2013年の前回大会・1次ラウンドでオランダに0-5で敗れている。その後オーストラリアと台湾に勝利するも、2勝1敗で並んだ3チームでの得失点率が3位となり上位2位に入れず、2次ラウンド進出を逃した。オランダは今回の日本との強化試合で2戦2敗という成績。しかし試合内容はいずれも接戦だった。

 強化試合2戦目に先発し、日本打線を3回1失点に抑えた左腕のディエゴマル・マークウェルは前回大会では韓国戦に先発。4回を2安打無失点に抑えた投手だ。韓国にとって嫌な相手が今回の強化試合でも結果を残した。

 また右打者がずらりと並ぶ打線は2試合で18得点。この得点力に試合後、ヘンスリー・ミューレン監督は「自信になった」と語った。

 強化試合を視察した韓国代表のイ・スンチョル打撃コーチは「予想外にオランダに攻撃力があった。深刻に考えないといけない」話した。また宋津宇(ソン・ジンウ)投手コーチは「日本の投手のコントロールが良くなかったという点もあるが、長打を多く打っていたのが気になった」と言い、いずれもオランダに対する手強さを口にした。今回のオランダはベストメンバーではなく、日本の選手のコンディションも万全ではなかったが、そんな中でオランダが見せた実力は韓国にとって脅威に感じるものだった。

 ミューレン監督は来年の本戦に向けて「メジャーリーグでプレーする選手が何人代表入りできるかわからないがコンタクトを取っている」と言い、会見でケンリー・ジャンセン(ドジャース)やウラディミール・バレンティン(ヤクルト)らの名前を挙げた。

 一方の韓国は先週10日にWBCに出場する28選手を発表。その中には李大浩(マリナーズ)や姜正浩(カン・ジョンホ=パイレーツ)など、今季アメリカでプレーした4人も含まれ、現時点でのベストと言える顔ぶれが揃った。しかし彼らや今オフにFA権を行使して米球界を目指す選手が、実際に代表入りできるかははっきりしないところだ。2次ラウンド進出を目指し、オランダと対等に戦うためには彼ら主力メンバーの集結は欠かせない。

 1次ラウンドで韓国はオランダの他に、台湾、イスラエルの強豪チームと顔を合わせる。今回の侍ジャパンとオランダ代表の強化試合は前回大会の雪辱を果たしたい韓国にとって、一層気を引き締めるものとなった。

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来季日本で韓国スター選手のプレーが見られるか

 韓国野球委員会(KBO)は7日、フリーエージェント(FA)有資格者を公示した。その人数は今回新たに資格を取得した14人と、再取得または資格を有する選手を含めた18人だ。

 韓国のFAには今年から変更点がある。これまでは権利行使が公示された翌日から7日間を現所属球団との優先交渉期間とし、他球団との交渉はその期間が過ぎてからと定められていた。しかし今年からは現球団またはその他の球団(海外チーム含む)との交渉が同時期に行われる。これは過去に他球団との交渉が解禁となった日の日付が変わった直後に、FA移籍が発表されたことがあり、禁じられているはずの事前交渉が秘密裏に行われていることが常態化してしまったことにある。

 今回、FA権を取得した選手には大物が揃っている。中でも過去にポスティングシステムを利用して米大リーグ進出を目指した3人、梁ヒョン種(ヤン・ヒョンジョン=KIA)、金広鉉(キム・グァンヒョン=SK)、黄載鈞(ファン・ジェギュン=ロッテ)の動向に注目が集まっている。また車雨燦(チャ・ウチャン)、崔炯宇(チェ・ヒョンウ)のサムスン勢も今FAの目玉選手だ。

 この中で日本に来る可能性のある選手だが、車雨燦にはその意思がある。韓国を代表する左腕投手として梁ヒョン種、金広鉉に次ぐ評価を受ける車雨燦。現在の日本球界は左の先発投手が不足していることもあり、関心を持つ球団もあるだろう。

 また今季、打率・打点の2冠王に輝いた崔炯宇はメジャー行きを模索する中で、日本行きの可能性もある。ただポジションがレフトまたは指名打者に限られるため、獲得を検討する球団はかなり限られそうだ。

 近年、来日した韓国人選手では李大浩(元オリックス、ソフトバンク)、呉昇桓(元阪神)が2億円を超える年俸で招かれ、いずれもタイトルを獲得。チームの優勝にも貢献している。しかし今オフのFA選手に対してはそこまでの評価には至っていない。ある球団のスカウトは「出せるのは(年俸)1億円が限度」と話し、選手側も「何が何でも日本に行きたい」という思いは減ってきている。昨オフ、朴炳鎬(パク・ピョンホ)、金賢洙(キム・ヒョンス)が韓国球界から日本を経由せずにメジャー入りしたこともあり、韓国選手の日本への憧れは以前のように高くない。

 1996年に中日入りした宣銅烈以降、NPBにはKBOリーグ出身の選手が毎年必ず在籍していたが、今年は20年ぶりのゼロだった※。来年は日本で韓国のスター選手がプレーするか。交渉は11月11日解禁となる。

※今年、NPBには韓国でのプロ経験のない韓国人選手が以下の3人在籍していた。金無英(元楽天)、イ・デウン(元ロッテ)、ジェフン(ヤクルト)

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理想目指すSKがヒルマン元日本ハム監督を新監督に

 先月27日、SKは来季の新監督にトレイ・ヒルマン元日本ハム監督(53)の就任を発表した。韓国プロ野球の監督を外国人が務めるのは今回が2人目だ。

 かつて韓国は監督にスター性を求め、強力な権限を発揮できる人物を監督に据える傾向があった。しかし現在はフロントの考えを理解し、フロントが整えた戦力で現場を動かせる監督を求めている。SKのヒルマン監督招へいは近年の韓国球団が目指す、フロント主導のチーム運営が背景にある。SKをはじめ、韓国の複数の球団が理想とする姿、それは育成と実績の両面で成功を収めている日本ハムだ。

 SKは昨年、それまで育成部門を統括していた金用熙(キム・ヨンヒ)氏を監督に据え、2軍には初の日本人指揮官として清家政和氏に2軍監督を任せた。これは選手育成による全体のレベルアップを目的とした配置だったが、それが充分に機能したとは言えなかった。球団としては種まきの時期であり、腰を据えて取り組む必要があったが、スピード感を求める韓国において4年連続勝率5割を切るチームには特効薬が求められた。その中で浮上したのが日本ハムでチームを日本一に導いた経験のあるヒルマン氏の存在だった。

 選手育成に向け環境は整っている。SKは2015年に約40億円をかけて、26万坪の広大な敷地に最新型の練習施設を完成させた。このような施設はSKだけではなく、斗山(トゥサン)、LG、KIAなどの各球団も所有していて、その充実ぶりは日本を上回っている。

 「ウチのチームが名門球団になるためには…」。

 球団団長(日本におけるGM)である閔庚三氏(53)は何か問題が生じると、この言葉を出して解決方法を探す。2000年に球界に参入したSKは常に新しいことに取り組んできた。閔庚三団長自身、韓国初の選手出身のGMだ。この他にもSKはスポーツとエンターテインメントを融合させた「スポテインメント」を球団のメインテーマに掲げ、本拠地球場をボールパーク化。韓国の球団では初めて、仁川(インチョン)市が所有する球場を含めたスポーツ複合施設一帯の指定管理者になるなど、球界に新風を吹き込んでいる。

 立派な育成施設を持ち、球団が理想とする実績のある監督を招き入れたSK。今後、理想とする日本ハムに近づくことはできるだろうか。

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